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第70回 ─ スピードスター15周年

第70回 ─ スピードスター15周年(2)

連載
Discographic  
公開
2007/11/08   22:00
ソース
『bounce』 292号(2007/10/25)
テキスト
文/久保田 泰平

THE BACK HORN 『イキルサイノウ』(2005)
表情豊かなギター・サウンド、骨太なリズム、真摯な詞世界、懐の深さと艶っぽさを感じさせるメロディーメイク――近年のレーベル・カラーは、彼らの〈腕っぷしの強い〉筆捌きで彩られているところも多々あるのではないだろうか。

LITTLE TEMPO 『MUSICAL BRAIN FOOD!』(2003)
レゲエ/ダブをベースに雑多なビートを呑み込んでいくこの大所帯は、ワールドワイドなアーティストを送り出すサブ・レーベル〈スピードスターインターナショナル〉より。Double FamousやMiho Hatoriもココからリリース。

サザンオールスターズ 『KILLER STREET』(2005)
レーベル内レーベル、TAISHITA所属の言わずと知れた〈タイシタ〉ことあるバンド。実は……というかこんな超大物もファミリーだった。もちろん、桑田さんもハラ坊も関口っつあんも、ソロ作品もココからリリース。

Leyona 『NU WORLD』(2005)
奥深く幅広い音楽的造詣と、ソウル感溢れるヴォーカルに引き合いは多く、巷では〈客演の女王〉とも呼ばれているとか。今作からスピードスターに移籍。よりルーツに根差した滋味深いサウンドをバックに、存在感溢れる歌声を送り続けている。

レミオロメン 『HORIZON』(2006)
インディーでの話題を引っ提げて、スピードスター内に新たに設けられたレーベル、OOKIGUMOからメジャー・デビューを果たしたのは4年前。以後、“粉雪”で特大ヒットを放つなど、レーベルの主力打者へ、その道のりをまっしぐら。

風味堂 『風味堂2』(2006)
ソウルやジャズのエッセンスを散りばめたギターレスの3人組。サウンドもさることながら、キャッチーなメロディーセンスもズバ抜けていて、本作収録の“愛してる”は彼ら最大のヒットを記録。最近では原由子とのユニット、ハラフウミも話題に。

髭(HiGE)『PEANUTS FOREVER』(2006)
ツイン・ギターとツイン・ドラムを擁する個性的なメンバー構成。須藤寿(ヴォーカル/ギター)のファニーでキャッチーなキャラクターも含め、往年のロック・バンドを彷彿とさせるインパクトとダイナミズムを備えている5人組。

ハリー細野&ザ・ワールド・シャイネス 『FLYING SAUCER 1947』(2007)
30年ぶりのヴォーカル・アルバムはスピードスターから。デビュー以来、絶えずシーンの最前線で斬新な音楽をクリエイトしてきた彼の作品を届けられることは、レーベル冥利に尽きるところか。

スピードスターの歴史をコンパクトにまとめたコンピレーション盤
レーベル名は〈すぐにスターになる〉という意味の造語。まあ、レコード会社というのは本来、良いアーティストをいち早く見つけ、いち早く商業レヴェルへと持って行くのが基本であって……がしかし、上で紹介したアーティストを中心に編まれた15周年記念レーベル・コンピ『ハンマーソングス~SPEEDSTAR RECORDS 15th ANNIV. COMPILATION』を聴く限り、スピードスターの歴史は、良いアーティストを〈ただただ、売りまくっていた〉というより、しっかりとシーンに根付かせてきた15年間だったと実感するわけです。