ソウルフルに進化するザップ・ママの新作は、自身のルーツを見つめ直した力作に!!
ベルギー人とザイール人のハーフであるマリー・ドルヌのソロ・プロジェクト、ザップ・ママ。ルーツやエリカ・バドゥ、コモン、タリブ・クウェリといったゲストを迎えて大胆なネオ・ソウル・サウンドを聴かせた『Ancestry In Progress』から3年のインターヴァルで届けられたのがニュー・アルバム『Supermoon』だ。前作のフィリーっぽさも残しつつ、ポリフォニー・コーラスを駆使したり、トニー・アレンが参加したアフロビートあり、ミシェル・ンデゲオチェロとのスモーキー&ジャジーな共演あり、さらにはピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモアにマイケル・フランティまでがギタリストとして顔を覗かせたり……と豪華絢爛なメンバーが大集合なんだけど、どの曲もマリーの歌が立つようなシンプルな作りで、それが多彩な楽曲が揃った本作に統一感を与えていることもポイントのひとつだ。
マリーは前作をリリース後、南アフリカのコーラス・グループ、レディスミス・ブラック・マンバーゾのアルバム『Long Walk To Freedom』に客演したほか、チウォニーソ・マライレやユニ・ウィルヘルムセンなど、世界各地の女性歌手8名が集まって制作されたコンピ『Women Care』にも参加。これらの課外活動はきっと、アフロピアンとしての出自を再確認する良い機会になったのだろう。新作に収録されたアフリカン・ルーツな“Gati”“Toma Taboo”などはポップな意匠が施されているだけに、そんなことも意識されられる。
なお、このたび1枚目『Zap Mama』とサリー・ニョロ在籍時の2枚目『Sabsylma』が日本盤でリイシューされた。ユニークなコーラス・グループとして出発したザップ・ママの変わらぬ本質を、新作といっしょに味わってみて。
▼ザップ・ママの作品を一部紹介。