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第215回 ─ HEY HO, LET'S GO!!!!!!

連載
NEW OPUSコラム
公開
2007/09/27   05:00
更新
2007/09/27   17:27
ソース
『bounce』 291号(2007/9/25)
テキスト
文/吾郎 メモ

ラモーンズの魅力を詰め込んだ特盛りのライヴ映像が見参!


  ラモーンズが96年に解散してもう11年も経つというのに、その人気と影響力は衰えるどころか拡がっている感さえある。今年に入ってからもレッド・ホット・チリ・ペッパーズらによるトリビュート・ライヴの様子を記録した映画「TOO TOUGH TO DIE」が日本公開されたし、オリジナル・アルバムの紙ジャケ・リイシューも記憶に新しいところ。長い間フロントを張っていた3人がもうこの世にはいないという事実をふと思い出して寂しい気持ちにもなったりするが、その想いも込めて使い古された表現だというのを承知であえて言おう、ラモーンズの放つ輝きは永遠である。

 このたび登場したDVD「It's Alive 1974-1996」は、彼らの本質をもっとも表していた〈ライヴ〉に的を絞って編集されたもので、結成から解散までに2263回行ったと言われているギグの模様を2枚組、計119曲、5時間以上という大ヴォリュームでまとめ上げたアンソロジーだ。パンク・ロックの起源をどこに設定するかには諸説あるけど、ロックンロールを都市のスピード感に合わせて加速させていくという意味でパンク・ロックを捉えるならば、その源流はあきらかにラモーンズにあったと言えるだろう。

 74年、NYのCBGB(今年8月末にオーナーのヒリー・クリスタルが死去。合掌!)に立った、当時22~23歳と思われる結成間もない彼らの初々しさよ。この時期は佇まいが少しグラムっぽい点がおもしろく、またパンク・ロックという音楽のアイデアが原石のようなものでありつつもハッキリとした形になっているところが非常に興味深い。

 彼らの音楽性は一般的に〈ワンパターンの美学〉とされているが、時系列に並べられたこの映像を観ればそれが必ずしも正しくないということもわかるだろう。そのスタイルは時を重ねるごとに研ぎ澄まされていくと同時に、音楽的にも広がりを見せていく。顕著なのが77年のUKパンク・ロックとリンクした時で、結成当初よりも格段に楽曲もプレイもパワーアップしている。有名なライヴ・アルバム『It's Alive』が象徴的であるが、その時の映像もここで確認可能。ほかにも、90年代の彼らにはハードコア世代に刺激されたかのようなスピード感と熱量があり、きちんと時代とリンクしつつ進化していたのだということが理解できるし……といった具合なので、一度とおして観た後に96年と74年の映像を再度比較してみるのも良し。なお、ラストには興味深いインタヴューやフォト・ギャラリーといったボーナス・マテリアルも収録されている。とにかく貴重映像が詰め込まれたDVDなのだ。

▼ラモーンズの作品を紹介。