NEWS & COLUMN ニュース/記事

第9回 ─ 南正人ほか、時代を超えて輝き続ける素晴らしき名盤との遭遇

連載
Ho!楽探検 タイムマシーン
公開
2007/09/13   11:00
更新
2007/09/13   17:44
ソース
『bounce』 290号(2007/8/25)
テキスト
文/騎士 昭和

 まずは70年代のフォーク・シーンにタ~イムスリップ!! リアル・ヒッピー=南正人が71年に発表したデビュー作『回帰線』は、細野晴臣などがバックを務めた、アシッド・フォーク~サイケデリック・ロック満載のヘロヘロな名盤。伝説的フィードバック・ノイズ・ロック・バンド=裸のラリーズの水谷孝もゲスト参加してヤバすぎるギター・プレイを披露しているよ。また、寺山修司が主宰する天井桟敷のJ・A・シーザーが編曲を担当した、友川かずきの77年発表作『千羽鶴を口に咬えた日々』は、霧に煙る幽玄なる薄暗い森の奥から聞こえてくるかのような、振り絞られる東北訛りの叫びが尋常でない気迫に満ちた魂の一枚だね。2枚とも嬉しいリマスタリング&紙ジャケでの登場だよ。

 お次は、82年のデビューから解散までの5年間を猛スピードで駆け抜けたBOOWYのベスト盤×2。ビートの利いたナンバーを収めた〈DRASTIC〉、メロディーの良さが際立つナンバーを収めた〈DRAMATIC〉と、今回はレーベルを超えた選曲の最強盤で、〈誰にも似ていない、どこにも属さないっていうのがカッコいいってこと〉という、時代を超えた彼らのメッセージをこの機会にぜひ感じ取ってくれ、ボーイズ&ガールズよ。最後は、87年発表のコンピ2枚をまとめた『KYOTO NIGHT』。EP-4をはじめ、若き大沢伸一(MONDO GROSSO)が在籍していたHIP-SEEK-KIDなど、京都ニューウェイヴ・シーンの連中による早すぎた尖鋭エレクトロ~ファンク・サウンドが蠢く内容は、いまこそ聴くべきカッコ良さだよ!