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第3回 ─ Cuba

連載
グディングス・リナ の Delicious Dishes
公開
2007/09/06   19:00
ソース
『bounce』 290号(2007/8/25)
テキスト
文/G.RINA

G.RINAが世界の〈音楽〉と〈料理〉のお皿2枚使いでお贈りする、〈音食同源〉コラム!!


  こんにちは、G.RINAです。世界の音楽を聴きながら、現地フードを味わう〈Delicious Dishes〉のお時間がやって参りました。今回はキューバの思い出にお付き合いください。

 初めてキューバを訪れた日のことは、今でも覚えています。きんきらきんいろの陽射しと日陰のコントラストが美しい旧市街。チクタクリズムの〈時間〉とかいう、どこかの誰かさんが考え出した枠組み?取り決め?のようなものは、とっくにコンクリート上で焼け焦げて、そこではもう、およそ止まっているか、勝手に進んでいるのでした。そうだとしても何の問題もないのでした。

 太陽と距離をとってきた人間からすれば、この近すぎる太陽も、街を鮮やかに見せてくれる舞台装置のひとつ。この絵の中でこの国の人々は、日々の生活やこの国を支配する理不尽な仕組みにくたびれているそぶりはあまり見せません。見ようとすれば、もちろんそれはいたるところに克明なのですが、それがこの国の人々の性格かというと違う気がしたのです。それどころか、わたしからすれば彼らははるかに甘美なものを知っているのでした。

 たとえば、ごつごつした氷とくしゃくしゃするミントの葉っぱ、ざらざらの砂糖(たまに虫がまぎれている)がラムとソーダの中で泳いでいるあの飲みもの――モヒート(あの虫になってしまうのも、悪くないかもしれない……)。

 東京に帰ってから、繁華街の酒場でこころ勇んでそれを注文すると、それはなんだか甘いどころか辛いのでした。その日だって同じように暑い、暑い夜だったのですが。

 わたしはあのグラスの底から不均等に溶けだすブラウンシュガーのようなものを此処でも探していて、それがうまく見つからないので、また旅をせずにいられなくなるのです。

モヒートの詳しいレシピなどはこちら!
http://www.g-rina.com/blog/

今回紹介したいのは、キューバン女性ラッパー=テルマリーの2006年作『A Diario』(Dm Ahora)です。キューバには自由がないかって? 確かめてみてください。彼女の音楽は奔放そのもの!

PROFILE

G.RINA
ヴァーサタイルなクロスオーヴァー・ポップスをクリエイトするシンガー・ソングライター/トラックメイカー。〈DJセニョーリーナ〉名義でDJ活動も精力的に展開中。最新作は2005年発表の『漂流上手』(ANGEL'S EGG)。この秋にはミニ・アルバムのリリースが予定されており、11月にはフル・アルバムも控えているとか。忙しい秋冬になりそうです。