バルセロナの猛者、ムチャチートの新作が到着。そしてバルセロナ・シーンは相変わらず熱いぞ!

異文化が渦巻く街、スペイン・バルセロナの音楽シーンは雑多でラディカルでポリティカルな傑作が続々と生み出されていることで近年注目を集めている。このたびセカンド・アルバムをリリースしたムチャチート・ボンボ・インフェルノもフラメンコをベースに、パンクやスウィング・ジャズ、レゲエにスカなどをゴッタ煮にしてしまうという離れワザを演じてみせる、シーンを象徴するようなバンドだ。ジョー・ストラマーやトム・ウェイツばりの酒灼けしたようなしゃがれ声(本当にシブい!)とみずからの荒々しいギターで強烈なカリスマ性を放つムチャチート。いかがわしげなピアノやブラス隊の響きに多様なリズムや少々のエレクトロニクスを加え、唯一無二のストリート・ミュージックを作り上げている。
この独特なミクスチャー性の高さは当地の特性ともいえる移民の多さが大きく影響している。本来踊るための音楽として存在するフラメンコやルンバ・カタルーニャに、世界各地からのさまざまなアイデアが次々と合体して、斬新な音楽が続々と生まれているのだ。シーンを代表するオホス・デ・ブルッホはフラメンコ×ヒップホップというインパクト大なスタイルを生み出し、世界的なアーティストへとのし上がった。ほかにも移民たちで結成されたレディオ・マランガやバルチーノらの多彩な音楽性が交錯する様はやはりこの地でしか起こりえない現象といえる。そして、その音楽スタイルはいまやあらゆるところに飛び火している。例えば、以前からそのシーンの盛り上がりぶりに着目していたマヌー・チャオ(もうじきニュー・アルバムが届くぞ!)や、先日の〈フジロック〉で観客たちを驚かせたバスク地方のロッカー、フェルミン・ムグルサなどが一堂に会した、音楽サイト〈Radio Chango〉発のコンピで、その膨張ぶりを確認することが可能。あと、ここ日本でもストリート的で、魅惑的でアングラなムードにどっぷりとハマる音楽ファンやミュージシャンも急増中だ(THE ZOOT16やSLY MONGOOSEなどの音楽にバルセロナの影を見て取れる)。もっとシーンに注目が集まり、夜な夜な来日ライヴが開催……なんて日も遠くはない!?