G.RINAが世界の〈音楽〉と〈料理〉のお皿2枚使いでお贈りする、〈音食同源〉コラム!!

こんにちは、G.RINAです。〈世界中の音楽を聴きながら、現地料理を作ってみよう〉がテーマの〈Delicious Dishes〉のお時間がやって参りました。梅雨が続いて蒸し暑く、恵みの雨はありがたいものの、どうもさっぱりしない今日この頃。この気分にしっくりくる音はないものかしら……そんな時わたしが思い浮かべるのはヴィブラフォン、鉄琴の響きです。というのも、鉄琴にかなりの確率で施されるあの独特のまるっこいエコー感が、なんとなく湿気の高いジャングル/トロピカル気分を演出してくれるからです。
今回は、そんな鉄琴やマリンバ、ブラスを多用したラテン・バンドのスタイルで、日本の元祖テクノ・バンド=YMOの楽曲を大胆にカヴァーしたセニョール・ココナッツの『Yellow Fever!』(Third-Ear)をご紹介したいと思います。バンドの中心人物であるアトムハートはドイツからチリへ移住し(!)、電子音楽からラテン音楽へと表現の幅を広げている人物なのですが、このラテン仕様のアルバムでも調味料のエレクトロが実に効いていて、完全な土着ラテンとは一味違う世界を繰り広げています。カヴァーされたYMOの曲を微妙にリアルタイムで通っていないわたしにも、「あ、これは知ってる!」「ああ良い曲だナ~」と感じるに十分な、原曲の美味しいところをきちんと温存。それどころか、ふくよかな音楽の楽しさ、遊び心が伝わってくるさすがのカヴァーになっています。
さて、この音楽は決してチリの伝統的音楽というわけではないのですが、彼は曲作りの日々にきっとチリの料理を食べたことでしょう。今回はこの音にうってつけ、酸っぱ辛いラテン流お刺身マリネ、セビーチェを作ってみました。お刺身も酢の物も、外国料理では意外ですが、暑さを乗り切るにはぴったり。はからずも、和とラテンの共通点を見い出す料理となりました。今日は白身魚ではなく、大好物の夏タコで。チリワインと一緒にどうぞ♪
セビーチェの詳しいレシピなどはこちら!
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G.RINA
ヴァーサタイルなクロスオーヴァー・ポップスをクリエイトするシンガー・ソングライター/トラックメイカー。艶やかな文学的詞世界と万華鏡サウンドが、幅広い音楽ファンに支持されている。最新作は2005年発表の『漂流上手』(ANGEL'S EGG)。彼女が参加した別掲の最新コンピ『Steel Pan Plays Burt Bacharach』(ポニーキャニオン)も要チェック!