勝手(流)にカヴァーした、勝手にしやがれのアルバムが登場だぜ!!

結成10周年を記念して制作された、勝手にしやがれのカヴァー・アルバム『LET'S GET LOST』。このタイトルは、彼らが昨年スタートさせた〈対バン〉イヴェントと同じものでもある。
「俺たちの大好きなバンドといっしょにイヴェントをやって、観て、〈じゃあ俺たちはどうなんだろう?〉っていうのを確認してるというか。確認しないと、〈じゃあどっかへ行こうぜ〉って言ってもどこにも行けないから」――武藤昭平(ドラムス/ヴォーカル、以下同)はこのタイトルを付けた理由についてそう語る。
ジャズ・スタンダードでの中島美嘉とのコラボというトピックもある今作だが、そこは独自の美学を貫くこだわりの強い彼らのこと。非常にユニークな選曲にしろ、どの曲からもオリジナルに勝るとも劣らない濃厚で強烈な勝手にしやがれのカラーというか匂いが滲み出ている。また国や時代、ジャンルもバラバラだが、時の流れに風化されない強いメロディーを持った曲ばかりが並んでいるところも、彼らのセンスが窺えて興味深い。
「〈いい曲はいい曲〉っていうだけで、あとはアレンジ力。それによって勝手にしやがれの音楽になっていれば、そして結局その曲を活かしたものになっていればいいわけだから」。
「あらゆる楽曲を剥き出しにして、プレイヤー、プロデューサー、アレンジャーとしてただ挑戦してるだけ、って上手くできたかな」と言うように、巷に溢れる〈カヴァー企画〉とはひと味違う仕上がりにしてみせるこの個性派バンドは、やっぱりいちいちカッコいいぜ!!