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第3回 ─ 〈FUJI ROCK FESTIVAL '07〉各アクトの詳細レポート!

第3回 ─ 〈FUJI ROCK FESTIVAL '07〉各アクトの詳細レポート!(2)

連載
オレらの 夏 フェス 予習・復習帳 07
公開
2007/08/09   13:00
更新
2007/08/24   14:59
テキスト
文/田家 大知、小田 由美子、小林 祥晴、澤田 大輔

7月28日(土)


13:00~
■湯川潮音 @ FIELD OF HEAVEN

ベースの代わりにチェロを取り入れた、ちょっと不思議な編成で登場した湯川潮音は、“Requiem”を独唱で披露すると「雨、止んだ~!」と嬉しそうに一言。気が付けば、さっきまで降りしきっていた雨は上がり、空が明るさを取り戻し始めていた。彼女の靴音を取り入れたファニーで幻想的な“3:15”、そして、今この瞬間の空模様にぴったりの“ツバメの歌”。マーチ風の原曲より繊細な手触りのアレンジ、そして彼女が持つ英国トラッドと共振するような歌声が、〈FIELD OF HEAVEN〉を囲む森の空気にぴったりと寄り添う。「今回のフジロックのために作りました」という新曲“風よ吹かないで”は、往年の金延幸子を彷彿とさせるような木漏れ日フォーク。爪弾くギターに導かれるように太陽も顔を覗かせ始め、ラストに披露された初期の名曲“キルト”の頃には、すっかり良いお天気に! 意外にも(?)晴れ女な潮音嬢。オレンジのワンピースが素敵でした。*澤田


14:20~
■!!! @ GREEN STAGE

早い時間での登場だったにも関わらず、見事な客の入り。それに触発されたのか、最初の方こそ軽い肩慣らしといった様子だったが、次第に本調子の演奏へと突入していった。ツイン・ドラム+パーカッションが生み出すヘヴィかつ躍動感溢れるビート、ノイズすれすれの轟音で下腹を抉るギター、そして怒号のようなニック・オファーのヴォーカル。その全てがメーターを振り切ったようなテンションで鳴らされているにも関わらず、音の緩急がハッキリとしたアレンジのせいか、以前とは違い、メリハリや躍動感を強く感じさせるようになっていた。また、ステージの端から端まで踊り歩いて観客を煽るニックのエンターテイナーぶりが、彼らのライヴにその音楽性以上の取っつき易さを与えていたのも確かだろう。ハードコア出身ならではの激しさは相変わらずだったが、以前と較べ圧倒的に開放感が増した彼らのライヴからは、〈GREEN STAGE〉に相応しいスケールの大きさが感じられた。*小林


16:40~
■LILY ALLEN @ RED MARQUEE

実力もルックスも伴ったビッグ・マウスの生意気娘の姿をひと目見ようと、〈RED MARQUEE〉はテントの後ろまでパンパンに膨れ上がる大盛況ぶり。そんな中、本人が登場すると野郎どもが地鳴りのような歓声でお出迎え。ちなみにリリーの第一声は「アーオ!」。“LDN”でライヴがスタートし、かぼちゃスカートの白ワンピとナイキのスニーカーでピョコピョコと跳ね回りながら歌う。歌ってる途中に爆笑したり、タバコを吸ったりと、噂通りのオテンバぶりなのにシンガーとしてのスキルは高く、CD以上に安定した歌と軽妙なラップで魅了する。ヒット曲の“Littlest Things”“Smile”“Alfie”はもちろん、ブロンディの熱唱カヴァー“Heart of Glass”も披露し、会場をハッピーなムード一色にしてくれた。確かにこれだけの才能と勢いがあれば、誰も何も言えないでしょう。降参しました……! *田家

17:50~
■FEIST @ ORANGE COURT

スタイリッシュな白のワンピース姿で現れ、「オハヨウ!」と少々ズレ気味の挨拶を振りまいた(「こんにちは」と勘違いしていた様子)カナダの才媛ファイスト。これまでに発表した2枚のアルバムでは、洗練されたソング・ライティングと持ち前の美声に注目が集まっていたが、バンド編成で臨んだ今回のステージでは、その柔らかなサウンドの奥に隠されていたロックな資質が、より浮き彫りにされたように思う。ガシャガシャとギターをかき鳴らして疾走する“I Feel It All”なんかを聴いていて、初期のネオアコ・ムーヴメントが抱えていたパンクな心意気みたいなものをヒリヒリと感じてしまった。中盤では、盟友ブロークン・ソーシャル・シーンのメンバーであるケビン・ドリューが突然登場し、彼らの名曲“Major Label Debut”を披露。ラスト間際の“Sea Lion Woman”や“1234”では、オーディエンスもハンド・クラップで演奏に参加し、会場はピースフルな空気に包まれた。*澤田

19:20~
■IGGY&THE STOOGES @ GREEN STAGE


  いい感じに日も暮れ、ほのかに涼しい風がふきはじめた〈GREEN STAGE〉に、ひときわアツい男が現れた。イギー・ポップだ! 演奏が始まる前から、溢れるエナジーを持て余すように飛び跳ねる半裸の還暦オヤジ。その身体には1ミリの贅肉もない。カッコよすぎ! “Loose”“Down On The Street”“1969”と、お馴染みの名曲が続き、観客は早くも興奮状態。それに応えるようにイギーも、暴れまくったり、舞台から降りてくれたり、戻ろうとしてマジ転びしたり(!)、とにかく一瞬たりとも飽きさせないのだ。ハイライトは“No Fun”。イギーが「カモ~ン!!」と呼びかけるや、舞台上に乱入する客、ざっと100人超。いくら何でも多すぎだろ(笑)! イギー本人もさすがに驚いたようだったが、それでもちゃんと最後まで歌い続けてくれたのは天晴れ。その後もライヴは続き、なんとアンコールにも応えてくれるというサービスっぷりに、お腹いっぱいになった110分だった。*小田

21:30~
■BEASTIE BOYS @ GREEN STAGE


  アッシュを最後の曲のイントロまで聴き、ホワイトからグリーンまで鬼ダッシュすると、ほぼオン・タイムにスタート。ミックスマスター・マイクのDJプレイの後に、スーツ姿でキメた3人が登場した。この日のライヴは全編インストの新作『The Mix-Up』のツアーとあってどんな構成とかで来るかと思ったら、いい意味でユルユル。04年のサマソニや05年の武道館のようなキメキメの流れではなく、勝手気ままに楽器を持って、離して。おなじみのヒット曲からムーディなインスト、初期ハードコアで盛り上げる。その選曲ぶりもまさかの“Egg Raid on Mojo”や、生演奏版“Remote Control”、“No Sleep Till Brooklyn”で大合唱なんていう夢のような一幕も。アンコールは“Intergalactic”→“Heart Attack Man”という大胆なつなぎの後に、アドロックがフジ出演への感謝の言葉を述べて“Sabotage”! マニー・マークが転がりまくるわ、インストに戸惑っていた観客も暴れまくるわで大団円。同じ時代に生きてて本当に幸せだなーと思いました。*田家

22:20~
■BOOM BOOM SATELLITES @ WHITE STAGE


  いよいよ〈WHITE STAGE〉の大トリ、BOOM BOOM SATELLITES! 会場は踊る気満々な観客の熱気でパンパンに膨れ上がっている。最新作『On』のテイストそのままに骨太ストレート。二人でステージ中央に出て客を煽りまくったりと、ここんとこの彼ら、かなりロックです。昔みたいなバキバキなブレイクビーツと文化系的な堅さがよかったんだけど……と、往年のファンとしては少々複雑な思いもあったものの、その変化が彼らの強い信念に裏打ちされたものだと実感し、納得。特にヴォーカリスト・川島の存在感が光る。やっぱりカッコイイ。目にも耳にも一分の隙もない。ここまで手堅いとかえって単調に感じたりしそうなものだが、そこはさすがに歴戦の勇士、フロアで鍛えた貫禄をこれでもか!と見せつけた。アンコールは今や定番“Dress Like An Angel”~“Ghost And Shell”。ひときわ大きな歓声に包まれ、颯爽と引き上げた彼らは、一段とたくましく見えた。*小田

00:00~
■SIMIAN MOBILE DISCO、JUSTICE @ RED MARQUEE


シミアン・モバイル・ディスコ


ジャスティス

  テントの外にまで人が溢れ出すほどの大混雑だったこの夜の〈RED MARQUEE〉で、圧倒的に素晴らしかったのは、やはりシミアン・モバイル・ディスコだろう。スーツ・ケース大はあるエフェクター風の機材やPCをテーブルの四方に置き、その周りをメンバー二人がグルグルと周りながらプレイするというスタイルは、DJながらも〈魅せる〉上手さが光っていた。セットは一時間弱と短かったが、その中でも得意のアシッド・シンセでジワジワと場の空気をビルド・アップし、後半にはクラクソンズの“Magick”を投下して、観客を熱狂の渦に巻き込んだのも見事。一方のジャスティスは、ステージ前に光る巨大な十字架を置き、彼ららしいゴシックで不気味な雰囲気を演出。プレイする曲は、どれも原曲のカット・アップやディストーションを更に強調したものとなっており、機能性重視のただ踊らせるだけのダンス・ミュージックとは一味違う、刺激的なプレイを見せてくれた。*小林

▼文中に登場したアーティストの作品を紹介



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