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第174回 ─ SOPHIE MILMAN

連載
NEW OPUSコラム
公開
2007/07/19   23:00
ソース
『bounce』 288号(2007/6/25)
テキスト
文/大西 智亜希

彗星の如くシーンに現れた大型新進ヴォーカリスト


 ファースト・アルバム『Sophie Milman』がいまだロングセラーを続けているカナダのヴォーカリスト、ソフィー・ミルマン。スタンダードやボサノヴァ、ロシア民謡(彼女はロシア生まれ)など、どんなレパートリーも麗しく仕立てるテクニックに、世のヴォーカル・ファンは揃って溜め息をついた。そして、待望の2作目『Make Someone Happy』が登場。前作の好評価によって得たらしき自信が全編に漲る印象を抱くが、歌に余裕が生まれ、その影響でビューティー度もアップ。われわれの溜め息2倍な仕上がりだ。今作の魅力のひとつに、随所でカジュアルさをアピールしている点がある。顕著な例は、スティーヴィー・ワンダー“Rocket Love”のカヴァー。ここではくつろぎ感を漂わせる歌が、ジャジーなサウンドの真ん中にゆったりと腰を下ろしている様子が見える。この感じはきっと、ポップス・リスナーの耳にもフィットするはずだ。そういえば〈スティーヴィー・ワンダーとダイアナ・クラールの中間のような存在になりたい〉と彼女は言っていた。今回その実践を始めたというわけか。ノラ・ジョーンズやマデリン・ペルーとは違うやり方で、ジャズ・ヴォーカルのテリトリーの外でも活躍してくれそうな予感を本作は孕んでいる。