NEWS & COLUMN ニュース/記事

第163回 ─ VICTORIA HART

連載
NEW OPUSコラム
公開
2007/06/28   20:00
ソース
『bounce』 288号(2007/6/25)
テキスト
文/村尾 泰郎

こんにちはシンデレラ! UKからキュートなヴォーカリストがデビュー


 いまだに会ったことはないけれど、この世の中には〈シンデレラ・ガール〉と呼ばれる女のコがいて、このヴィクトリア・ハートもそのひとり。ウェイトレスをしながら歌っていた彼女がデビューするきっかけとなったのは、今年のカンヌ映画祭でのある出来事だった。豪華ヨットで行われた映画「オーシャンズ13」のセレブ・パーティーで、ジョージ・クルーニーやブラッド・ピットを前に歌を披露したヴィクトリアは、一躍注目を浴びてレコード会社のオファーが殺到。まさに映画みたいにできすぎた話だが、この初アルバム『Whatever Happened To Romance?』での彼女の天真爛漫な歌声を聴いていると、そんなヒロインぶりもサマになってる。なんたってまだ18歳。その年齢を逆手にとって、彼女はオールド・ファッションなジャズ・ナンバーを小鳥のように歌う。そのほとんどはスタンダードのカヴァーかと思わせるシックなオリジナル曲だが、彼女の瑞々しい歌声はそこに21世紀のポップスとしての躍動感を満たしている。たった1曲収録されたカヴァー曲、キンクスの“Sunny Afternoon”も、スウィンギング・ロンドンふたたび!な仕上がり。時にアコーディオンに乗せてしっとりと、かと思えば突然ラテンのリズムも飛び出したりして、そのあたりは、フランク・シナトラからアウトキャストまでをフェイヴァリットに挙げる彼女ならではのヴァラエティーの豊かさだ。これぞ総天然色のチャーミング!