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第13回 ─ VISUAL-KEI

第13回 ─ VISUAL-KEI(3)

連載
Di(s)ctionary
公開
2007/05/24   18:00
更新
2007/05/24   18:22
ソース
『bounce』 286号(2007/4/25)
テキスト
文/出嶌 孝次

II それでは実際に聴いてみよう! その2

MALICE MIZER 『merveilles』 コロムビア(1998)
ヴィジュアル・アート童話団と呼びたいほどのシアトリカルなパフォーマンスで人気を博した彼ら。漲ったGacktの歌にヤラれるこの傑作は、転調が繰り返される組曲ロックやエレポップ、ワルツなど、アレンジがマジで楽しいんだよね。“月下の夜想曲”は何度聴いても逸曲だと思うぞ。

PIERROT 『FINALE』 ユニバーサルJ(1999)
親しみやすいリフを基調にしたギター・サウンドを武器に、世紀末のV界をリードした彼ら。このメジャー初作はCoccoなどを手掛ける成田忍のプロデュースだ。哀しいバラード“ラストレター”などはメロの完成度も高いんだよ。昨年の解散後、キリトら3人は新たにAngeloを始動しているね。

cali≠gari 『第7実験室』 ビクター(2002)
「カリガリ博士」に由来するバンド名だけあって、丸尾末広やナゴム作品に通じるアングラ&エログロな毒電波がビリビリ。昭和ガレージ歌謡な“マグロ”をはじめ、テクノにロカビリー、大野克夫ばりのジャジー曲などアイデア豊かな作りが最高にオモロい!と思ったら……無期活動休止とは。

baroque 『sug life』 FIREWALL DIV.(2004)
V系が音の傾向を限定しない以上、いわゆるミクスチャー系もいて当然だね。FREE-WILLから現れた彼らはストリート風のファッションに違わず、スクラッチを交えたグルーヴィーな演奏やドラムンベースを聴かせた。本作発表の同年に解散するも、メンバー中2人はkannivalismで活躍中だ。

ムック 『6』 ユニバーサル(2006)
2003年にメジャー・デビューした彼らだけど、実際は十年選手。ネガティヴな主題のダークな曲で人気なんだけど、デス声も織り交ぜてくる妖艶なヴォーカルに、ヘヴィーな演奏が絡めば、不思議とパワフルで気持ちイイんだよね。欧米でもライヴを行うだけあって、本作は日欧同時リリースだった。

Dir en grey 『THE MARROW OF A BONE』 FIREWALL DIV.(2007)
97年に結成され、DYNAMITE TOMMYの後見でデビューしてから、一貫してグロテスク&ハードコアに表現を深化させている彼ら。コーン主催の〈The Family Values Tour〉登場(P109も見て!)などによって海外での人気も絶大なんだ。京のスクリームも鬼気迫るね!!