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第13回 ─ VISUAL-KEI

第13回 ─ VISUAL-KEI(2)

連載
Di(s)ctionary
公開
2007/05/24   18:00
更新
2007/05/24   18:22
ソース
『bounce』 286号(2007/4/25)
テキスト
文/出嶌 孝次

II それでは実際に聴いてみよう! その1

D'ERLANGER 『BASILISK』 BMG JAPAN(1990)
今年の復活で知った人も多いだろうが、83年に結成された〈サディスティカル・パンク〉バンド。度重なるメンバー交替を経て本作でメジャー・デビューしたんだが、その年のうちに解散してしまうんだな。キャッチーな“DARLIN'”など、刹那的な名曲群は現代のバンドにも劣らないよ。

BUCK-TICK 『狂った太陽』 ビクター(1991)
20年以上も創造性を磨き続ける不動の5人。全員が髪を立てていた初期の彼らは、V美学を確立した先駆者でもあった。今井寿がシンセ・ギターを導入した本作では、耽美な世界観がサイバー・パンクへと一気に飛躍。歌詞もキレキレな“スピード”や聖歌のような“JUPITER”など名曲だらけだよ。

X 『Jealousy』 CBSソニー/キューン(1991)
前作『BLUE BLOOD』を推す人も多いだろうけど、メンバーの個性が見えるという意味ではこちらが勝るだろう。YOSHIKIの破滅的な過剰美が咲き誇る“Silent Jealousy”から、HIDEとTAIJIによるカラリとゴージャスなハード・ロック路線まで完璧。前総理がお好みなバラードだけじゃないぞ!

LUNA SEA 『MOTHER』 ユニバーサルJ(1994)
2000年の終幕までトップの座を譲らなかった90年代V系ブームの立役者だ。RYUICHIの泣き節が疾走する“ROSIER”と初めてチャート1位を奪取した“TRUE BLUE”を収めたこの3作目では、冒頭からU2ばりに壮大なスタジアム・チューンを披露。後のDJ KRUSHとの共演にも驚かされたね。

黒夢 『Complete Singles』 東芝EMI 
ひときわ貪欲に音楽性を変化させ、初期の中性的な耽美ロックからSADSの前身となるギラギラの〈渋谷パンク〉路線を確立するに至った彼ら。その劇的な歩みはこのシングル集で一望できるけど、フォロワーを生みまくった清春の歌声はどの曲でも危険すぎる。私は特に“Spray”が好きだね!

GLAY 『SPEED POP』 東芝EMI(1996)
EXTASY時代の楽曲も含むメジャーでの初アルバムで、YOSHIKIが関与した“RAIN”や人気のバラード“ずっと2人で...”も収録。佐久間正英と組んだGLAY節の応酬で、この後すぐにお茶の間へ浸透していくのにも納得だな。しゃくり気味の歌声には、後にコラボする氷室京介の影響も見え隠れ。