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第118回 ─ タルク? バレアリック・ソウル~AOR?

連載
360°
公開
2007/05/10   17:00
更新
2007/05/10   17:46
ソース
『bounce』 286号(2007/4/25)
テキスト
文/櫻井 誠

急増するバレアリック・ソウル~AORの筆頭、タルクが登場!!


 その昔、〈レア・グルーヴ〉や〈フリー・ソウル〉というキーワードの下で、ソウル~ファンクからジャズやロック~AORに至るまでの音楽を自由に解釈し、クラブ・フィールドで再生するという大きなムーヴメントがあった。それから20年近く経った現在、そうした動きを実際にクラブで体験してきた者たちがAORやブルーアイド・ソウル的な作品を生み出す例が目立ってきたように思う。この〈クラブ・ミュージックを通過した耳によるAOR~ソウル〉作品の代表例としては、昨年のベスト・ディスクに推す者も少なくなかったビューティー・ルームが挙げられるが、このたびファースト・アルバム『Sit Down Think』の日本盤がリリースされて話題の2人組=タルクもその筆頭だろう。

 それぞれが歌と楽器をこなす彼らの言葉を借りると、「影響を受けたのはスティーリー・ダンやハービー・ハンコック、カーティス・メイフィールドとか……」だという。確かに『Sit Down Think』は現代的なアレンジを施されながらも、アーバンな感覚や歌心、ポップなAORマナーにおいてその言葉どおりの懐かしさを兼ね備えている。下で紹介したのは、最近の〈バレアリック再評価〉といったクラブ界隈の流れに敏感な若いリスナーに評価されている〈クラブ・ミュージック〉だが、熱心なAORファンのオジサマや往年の〈フリー・ソウル〉ファンをも満足させて余りある逸品ばかりなのだ!
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