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第110回 ─ dot i/o & micromicrophone

連載
NEW OPUSコラム
公開
2006/12/07   22:00
更新
2006/12/07   22:05
ソース
『bounce』 282号(2006/11/25)
テキスト
文/内田 暁男

mito(クラムボン)のソロ・プロジェクト3部作が完結

 クラムボンの活動と並行して、今年に入ってからは木村カエラやタラチネ、そしてtoeといったアーティストのプロデュースも手掛けてきたmito。そんな彼が、2月に登場したFOSSA MAGNAで始まったソロ・プロジェクト3部作の2タイトルを立て続けにリリースする。まず、イルミン・シュミット(カン)を共同プロデューサーに迎え、ほぼ全曲がインストとなるdot i/oでは、鋭いビートと精緻なサウンド・コラージュを基軸に、〈ジャーマン・プログレ流儀で解釈されたポスト・エレクトロニカ〉とも形容できるサウンドを展開。コーネリアスの『POINT』とも共振する瞬間が刺激的だ。一方、プロジェクトの最終章となるmicromicrophoneでは、ミニマルな反復ギターとアンビエントな電子音とが交歓するプロダクションにてデヴィッド・シルヴィアン『Blemish』を想起させる、シンプルな歌ものサウンドを提示。低音に得も言われぬ魅力を秘めた歌声と、ニュアンスに富んだ空間構築に引きずり込まれる。パンキッシュなフリージャズを志向していたFOSSA MAGNAも含め、3部作を一貫したmitoのエクスペリメンタルな姿勢は、これからのクラムボンをより〈深く〉するに違いない。