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第3回 ─ あの故郷(カントリー)へ帰ろかな

第3回 ─ あの故郷(カントリー)へ帰ろかな(2)

連載
ディラン・ディラン
公開
2006/11/09   23:00
ソース
『bounce』 281号(2006/10/25)
テキスト
文/編集部

〈ディラン・ディラン〉のお喋りキーワード解説

※1. ア・ハード・レインズ・ゴナ・フォール

 62年のキューバ危機(米ソ間における核戦争の危機)に際してディランが書いた反戦歌“A Hard Rain's A-Gonna Fall(はげしい雨が降る)”のこと

※2&※3. バケツ・オブ・レイン、シェルター・フロム・ザ・ストーム

 ディランの75年作『Blood On The Tracks』に収録された“Buckets Of Rain(雨のバケツ)”“Shelter From The Storm(嵐からの隠れ場所)”のこと

※4. 北国の少女 

 ディランの63年作『The Freewheelin' Bob Dylan』に収録された“Girl From The North Country”の邦題

※5.〈ナッシュヴィル・スカイライン〉

  ディランの69年作『Nashville Skyline』(Columbia)のこと。ジョニー・キャッシュとのデュエット〈北国の少女〉で始まる、保守的だとされるカントリー・サウンドを前面に出した今作は、ディランを〈ロック~反体制の旗手〉と捉えていた世界中の若者たちに大きな衝撃を与えた。近年では、その高品質なサウンドと楽曲への評価が高まってきている

※6. 帰れない二人 

  井上陽水が73年に発表した本邦初のミリオンセラー・アルバム『氷の世界』(ユニバーサル)に収録された、忌野清志郎との共作曲のタイトル

※7. キヨシローの新作 

  リリースされたばかりの忌野清志郎のアルバム『夢助』(ユニバーサルJ)のこと。日米の大物が集い、強烈なロックンロール~ソウル・ミュージックを披露している

※8. 時代は変わる

 ディランの64年作『The Times They Are A-Changin'』とそこに収録された同名曲の邦題。体制に対して不敵に世代交代を告げるこの曲は、社会的/精神的変革を求める世界中の若者たちのテーマソングとなった

※9.〈セルフ・ポートレイト〉


 ディランの70年作『Self Portrait』(Columbia)のこと。ディランはシンガー・ソングライター(自作自演)の象徴的存在であったが、レコード2枚組・全24曲のほとんどがトラディショナルなフォークやカントリー、他人の曲のカヴァーだったために、またしてもロック・シーンに大きな衝撃を与えた。近年は、そのジャンルを問わない選曲からディランの音楽性の広さを知ることができる作品としても評価されている

※10.〈ビリー・ザ・キッド〉

  ディランがサントラ『Pat Garrett & Billy The Kid』(Columbia)を手掛け、脇役としても出演した、伝説のアウトローを描いたサム・ペキンパー監督による73年公開映画。サントラはブルーグラス風のインスト曲が多いが、のちにガンズ&ローゼズやエリック・クラプトンもカヴァーした“Knockin' On Heaven's Door(天国の扉)”も収録

※11. アイ・シャル・ビー・リリースト 

  71年にリリースされたディランのベスト盤『Greatest Hits Vol.2』(Columbia)に初収録された、ディランの代表曲のひとつ“I Shall Be Released”のこと

※12. あの故郷へ帰ろかな 

  79年に千昌夫が歌って大ヒットした、日本のカントリー・ミュージックともいえる演歌のスタンダード“北国の春”の歌詞の一部。『千昌夫 大全集』(徳間ジャパン)に収録

※13. ニュー・モーニング

  『Self Portrait』からわずか4か月後にリリースされたディランの70年作『New Morining(新しい夜明)』(Columbia)に収録された同名曲のこと。ジャズやゴスペル、ソウルといったディープ・サウスの音楽からの影響が強い自由度の高いサウンドと力強くソウルフルな歌声で、迷走期(?)と呼ばれる期間から脱して、黄金の70年代の幕開けを告げる作品と位置付けられている

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