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第2回 ─ もうひとつのアフリカ

今月のBGM ヒップホップ/レゲエ好きにこそ聴いてほしい、ちょっとナイスなアフリカ音楽作品

連載
DISCOVER WORLD
公開
2006/11/02   20:00
更新
2006/11/02   21:54
ソース
『bounce』 281号(2006/10/25)
テキスト
文/大石 始

POSITIVE BLACK SOUL 『New York /Paris/Dakar』 Night & Day(2002)

  ダーラJのメンバーいわく「セネガル最初のラップ・グループ」。コラやバラフォンの音色でアフロ風味を加えながら、バンギンなラップを繰り出してくるその佇まいには、牽引者としての風格すら漂っている。ダーラJとの共通点も多い大御所グループだ。

BANTU FEAT. AYUBA 『Fuji Satisfaction - Soundclash In Lagos』 Piranha(2005)

  ドイツを拠点にするナイジェリア系のアデ・バントゥと、ヨルバ系音楽=フジのアーティストであるアデワレ・アユバの共演作。酩酊感を漂わせるフジやアフロビートに乗って、アデのドロ臭いラップが響き渡る。そのバランスがなかなかユニーク。

EMMANUEL JAL & ABDEL GADIR SALIM 『Ceasefire』 Riverboat(2005)

  政府と反政府勢力の対立などで不安定な情勢が続くスーダン。そうした苦境をはねのけるような力強さを放つ今作は、同国のラッパーとヌビア音楽の重鎮による共演作。淡々としたエマニュエルのラップがとりわけ鮮烈で、静かな興奮に包まれた一枚だ。

VARIOUS ARTISTS 『The Rough Guide To African Rap』 World Music Network

  タイトルどおり、アフリカン・ラップの現状を伝えてくれるコンピ。プロフェッツ・オブ・ダ・シティやポジティヴ・ブラック・ソウルを筆頭に新旧・各国のアーティストを揃えており、シーンの盛り上がりと成熟を感じ取ることができるはず。

VARIOUS ARTISTS 『South Africa In Dub』 African Dope/Echo Beach

  南アフリカのヒップホップ/ダブ系レーベル、アフリカン・ドープの音源を集めたコンピ。詳細不明のアーティストも多いが、レーベル主宰者であるDJドープやゲットーマフィン(凄い名前!)らを収め、ほどよく洗練されたデジタル・ダブが展開されている。

SELASEE ATIASE 『Run』 Running Dream(2006)

  ガーナに生まれ、幼い頃は教会でゴスペルを歌っていたという彼。アメリカで録音された今作では、ハイライフやアフロ・ポップのなかにレゲエのニュアンスを忍び込ませて、ソウルフルなノドを存分に披露。幅広いリスナーにアピールできる内容だ。

TIKEN JAH FAKOLY 『Francafrique』 Barclay France(2002)

  スライ&ロビーがサポートし、U・ロイやアンソニーBといった著名レゲエDJが参加するなど、世界基準のクォリティーを誇る傑作。コラなどアフリカの楽器をディープなルーツ・レゲエのサウンドに絡め、主役が熱いメッセージを乗せる……これは強烈。

ALPHA BLONDY 『Akwaba : The Very Best Of Alpha Blondy』 EMI

  欧州では80年代からスターの座を獲得し、今も絶大な人気を誇るコートジボワールのカリスマ。今作は80年代から近作までの楽曲からセレクトされたもので、“Apartheid Is Nazism”などの代表曲やウェイラーズ、UB40の参加曲も収録。その骨太な歌声にヤラれる。

KONONO NO.1 『Congotronics』 Vivo(2005)

  このページの文脈とは異なるが、昨今もっとも注目を集めたアフリカのアクトとして彼らの名前は挙げておきたい。電化した親指ピアノで凶暴かつハッピーなサイケデリック空間を作り出すそのライヴは、クラブ・リスナーからも支持を得た。ハイブリッドなサウンドが唯一無二。

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