小山田:寺内さんですよ、エレキを発明したのは。間違いないです(笑)。電気屋だったんですよね、実家が。それでアコースティック・ギターにマイクを付けて。電信柱にスピーカーがついてるじゃないですか? あれの設置を実家の電気屋がやってたらしくて、そこにギターをつないで弾いたのが世界で初めてのエレキ(笑)。そうらしいですよ。
太田:(笑)。
小山田:話がすごいですよ。大学行くんで、家を親に一軒建ててもらって、通ってたらしいんですけど。でも全然学校行かないで、米軍の基地とか行ってギター弾いたりしてて。親がそれを聞いて、寺内さんがいないうちに家をぶっ壊して、更地にして、寺内さんが帰ってきたら家がない(笑)とか。そういう話満載で。
太田:すごいなぁ~~~(笑)!! 僕が寺内タケシを知ったのって、昔「ロック・オモシロック」っていう番組があって。
小山田:オモシロック(笑)!
太田:それに高校生で寺内タケシを完コピーするバンドが出てきて。それがうまかったんだけど。
小山田:へえー。太田さんもバンドやってたんでしょ? ベースだっけ?
太田:コピーできてないコピー・バンドでしたけど(笑)。18歳で挫折して、プレイヤー側じゃなくて売る側になろうと思ってレコード屋に入ったんですけど。
小山田:どこでしたっけ?
太田:吉祥寺のレコード店でした。
小山田:あ、いいレコード屋でしたよね。
太田:当時は歌謡曲とか置かなくて、国内盤は。あともうワン・フロアが全部輸入盤。洋楽とニューミュージックっていう構成でしたね。そういえば僕が入社して3ヶ月くらいの時に細野(晴臣)さんが表敬訪問されたんですよ。“君に胸キュン”の頃ですね。
小山田:それで表敬訪問(笑)?
太田:で、その時、小学生が100人くらい来ちゃって大変でした。
小山田:うわ、すごいなぁ~。小学生だ。でも俺も小学生の時、YMO聴いてたもんなあ。『増殖』のカセットテープ持ってた(笑)。
前作『POINT』リリース・ツアー等では映像ともド・シンクロしてて世界中が腰を抜かしましたね。ニュー・アルバムを聴いて、そしてライヴで、コーネリアスの『Sensuous』な世界にみなさんいっしょに突入しましょう。それでは、また。
小山田:今回も映像あります。今作ってる最中で。まさに今。
太田:アイディア満載で。
小山田:アイディアは満載なんだけど……。死ぬかも知れない(笑)。
太田:ええ~~(笑)!?
小山田:たぶん昨日まで(映像制作スタッフは)3日間くらいほとんど寝てないですね(笑)。昨日行ったら人が倒れて寝てた。そういう状況だったから、すごいところまで人を追い込んでしまった(笑)と思った。申し訳ない気持ちなんだけど、すごい頑張ってくれてて。死者が出なければ完成します(笑)。……人って寝ないとああなるんだなーって。
太田:それを見てしまったんだ(笑)。でも楽しみだね。
※Corneliusがアルバム『Sensuous』の発売に先駆けて9月29日に行った〈完成披露演〉のライヴ・レポートはこちらから!!