PINK FLOYD 『The Piper At The Gates Of Dawn』 EMI(1967)
シドの鮮烈な美意識が注ぎ込まれたデビュー作。後のフロイドには見られない病的かつ煌びやかなポップ感を持つ楽曲群に目も眩む。60年代ロンドンのサイケデリック・シーンの幕開けを体感できる重要盤。
PINK FLOYD 『A Saucerful Of Secrets』 EMI(1968)
シドの参加は数曲のギターと、救世軍によるバックトラックが印象的な“Jugband Blues”1曲の提供に止まっているが、独特のサイケデリック感とコズミックな浮遊感が交じり合ったスリリングなセカンド・アルバムだ。
PINK FLOYD 『Relics』 EMI(1971)
オリジナル・アルバム未収録の“Arnold Layne”“See Emily Play”などは、シドが産み落としたサイケ・ポップの大名曲だが、それらシングル音源も収録された初期3作からの編集盤。シドの曲が冒頭と最後を飾る編集は意図的なもの?
SYD BARRETT 『The Madcap Laughs』 EMI(1970)
フロイドのみならず一般社会からもおさらばしてしまった彼のソロ第1作。不安定な精神状態での制作ゆえの演奏&歌唱の揺らぎ、幻覚感は、現在のディヴェンドラ・バンハートにも通じる。アシッド・フォークの名盤。
SYD BARRETT 『Barrett』 EMI(1970)
この世に残された最後のオリジナル・アルバムは、独自のポップセンスで後のニューウェイヴにも多大なる影響を与えた。歌とバックの演奏との有機的連鎖の無さからは、現実世界から遊離しつつあった彼の精神状態が窺えて痛々しい。
SYD BARRETT 『Opel』 EMI
2枚のソロ・アルバムの制作過程を垣間見ることができる未発表&レア・トラック音源集。シドのヴォーカル&ギターのみの一発録りがほとんどだが、掻き鳴らすコードの独特な響きひとつとっても、彼の音楽的創造力を感じずにはいられない。
SYD BARRETT 『The Radio One Sessions』 Strange Fruit
70年と71年のBBCでのスタジオ・ライヴ音源集。アシッド吐き出しまくりのヨレヨレ歌唱のひとつひとつが実に生々しく、こちらの動悸を激しくさせる。デイヴ・ギルモア、ジェリー・シャーリーがバックアップ。