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第25回 ─ 8otto

連載
SPOTLIGHT!
公開
2006/08/24   23:00
更新
2006/08/24   23:00
ソース
『bounce』 278号(2006/7/25)
テキスト
文/加賀 龍一

地下室炎上のロックンロール、ついにその謎が解き明かされる!


 数字の〈8〉とイタリア語で8を意味する〈otto〉、さて合わせていくつ? 答えは8otto(オットー)のデビュー・アルバム『we do viberation』に隠されている。ギター×2、ベース、ドラム/ヴォーカルという4人組は99年に大阪で結成され、地元ではすでにその強烈なライヴ・パフォーマンスが話題となっている。そしてストロークスのセカンド・アルバム『Room On Fire』のエンジニアを務めたヨシオカトシによるプロデュースのもと、NYでレコーディングされた今作では、シャープな疾走感が心地良い冒頭の“RIWO”など、確かにストロークス的だったりNY的だったりする面も窺える。しかし、“KATANA”でのズリズリとしたボトムを切り裂くギター・カッティングやインストの“Nu Sieezze”における鋭利なアンサンブル、ポップなサビの“C”など、多面的な楽曲たちは〈8変化〉と呼びたくなるほど表情豊かで躍動的だ。そしてマエノソノマサキの気怠そうなヴォーカルもクセになる。〈8+otto〉――その答えはソリッドなグルーヴが巻き起こす、クールなロックンロール・サウンドのことだったのだ。