屈指のプロデューサーが、シンガーとしていよいよ表舞台に登場!!

村山晋一郎――日頃J-Pop~J-R&Bを聴いている人ならその名前に見覚えがあるだろう。宇多田ヒカル、Chemistryから酒井法子、小泉今日子に至るまで、数多くの楽曲の作詞、作曲、アレンジなどを手掛けている日本屈指のプロデューサーだ。いまでこそ誰もがその名を知るプロデューサーのひとりだが、もともとシンガーを志して音楽業界に入ったそうで、「他のアーティストをプロデュースしていても、その傍らで自分でも歌いたい!という気持ちがずっとあった」という。しかし「名前が出ただけで通用するくらい実績を積んでから、アルバムを出したほうが有効的」と考えた彼は、他アーティストを手掛けながらも、じっくりその時期を窺っていたそうだ。そして十分すぎるほど機が熟した今春、ついに〈シンガー〉村山晋一郎のデビュー・アルバム『軌跡』がリリースされる。名プロデューサーは名シンガーでもあるのか、その答えは本作を聴けばおのずとわかるだろうし、〈音楽家〉としての彼の才能に改めて圧倒されること必至だ。
大半がバラードで占められた本作。「作詞仕事をした経験上、バラードのほうがストレートに気持ちを伝えられるなと思って」と語るが、そのとおり、彼のメッセージがわかりやすく素直に伝わってくる作品ばかりが収録されている。とりわけ“Reach The Sky”や“いつの日か”“未来”の3曲では〈目標に向かってがんばればきっと報われる〉という共通のテーマが綴られており、それはそのまま彼が本作でいちばん言いたかったテーマへと繋がっているだろう。「夢を売る商売ですから」と彼は微笑むが、本作を聴けば誰しも彼の柔らかな歌声とポジティヴなメッセージに心打たれるだろうし、そしてふたたび彼の作品を心待ちにしてしまうはずなのである。