時代や世代を超えて輝き続けるジャパニーズ・ナンバーの数々。そんな名曲たちをカーステで流しながら、今日も気ままなドライヴへGO GO!
――今日も仲良くドライヴ中の達也とトオル。どうやらタワレコでお買い物をしたあとみたいですよ。
トオル「いやあ、ひさびさにCD買ったなあ」
達也「そういえば、何買ったんだっけ?」
トオル「ohanaのアルバム。bounceの表紙になってたし、そこまでやるんだったら買ってやろうじゃない!って」
達也「べつにムキになるこっちゃないだろ」
トオル「冗談だよ」
達也「ていうか、もう1枚買ってなかったっけ?」
トオル「あっ、もう1枚? もう1枚はberryz工房の“ジリリ キテル”。こないだ先輩に聴かせてもらったんだけど、結構いい曲なのよ……って、達也は何買ったんだっけ?」
達也「あっ、オレ? オレのはパパに頼まれたやつなんだけど、筒美京平(注1)のCD-BOX。6枚組で9,800円也。ポイント・カードが一気に貯まったよ」
トオル「筒美京平って、作曲家の人だよな」
達也「うん。ほら、最近だと“恋のダウンロード”ってこの人の曲だよ」
トオル「へぇ~、よく知ってんなあ」
達也「パパからいろいろ教わったからね」
トオル「他に有名な曲は?」
達也「TOKIOの〈ビー、アンビシャ~ス♪〉ってやつとか、Kinki Kidsの〈天使をや~めなっいいでぇ~♪〉っていうのとか」
トオル「ふ~ん、聴いたことあるぞ」
達也「そこにカセット置いてあるだろ。それ、筒美京平の曲で編集したやつらしいよ」
トオル「どれどれ……あっ、コレ? え~っと〈Stand up, ダンスをしたいのは誰?〉って、なんじゃこりゃ?」
達也「踊れそうな曲を選んで入れてるんじゃないの? たぶん」
トオル「まあ、聴いてみましょうよ。1曲目は誰かなあ……」
達也「ん? これは奥村愛子だね。彼女の曲って昭和歌謡っぽい曲が多いけど、筒美京平の曲もやってたんだね」
トオル「オレ、秘かにファンなのよ」
達也「へぇ~」
トオル「意外とグラマーだし」
達也「そういうことか」
トオル「そういうところをあまり強調してないんだけど、よくよく見るとそうじゃん!って思わせるところがたまらんね」
達也「なんか、オヤジ臭ぇなあ」
トオル「そっかあ?……あっ、この曲知ってる! ピチカート・ファイヴだよな。あなたに逢いたい♪あなたに逢いたい♪……って、最近は愛ちゃんとよく逢ってんのか?」
達也「春休みは実家に帰ってたからさ、こないだひさびさにデートしたんだよね。伊勢佐木町の不二家でお茶して」
トオル「ずいぶんとお子ちゃまっぽいところでお茶するのね、キミたち」
達也「オレ、ちっちゃいころから不二家好きなんだよなあ。そうそう、その昔はウチのパパもよく利用してたんだってさ。店内の壁画は昔と変わってないって言ってた」
トオル「ふ~ん、ちょっといい話だな」
達也「オマエこそ最近どうなってんのよ、美穂ちゃんってコと」
トオル「あのさあ……聞いてくれるぅ?」
達也「おいおい、なんだよ」
トオル「こないだ野球をいっしょに観に行くって言ってたじゃん? でまあ、観に行ったわけよ、巨人対横浜を。でさあ、オレってば根が巨人ファンだから、ヨシノブがホームラン打った瞬間に〈ヤッター!〉って叫んじゃったのよ……」
達也「それでゴキゲン損ねたわけ?」
トオル「そうなのよ。試合も12対2で巨人が圧勝しちゃったもんだから、美穂ちゃんずっと不機嫌で」
達也「想像するとオモロイ光景だな」
トオル「オレにとっちゃあ深刻な問題よ!」
達也「まあまあ、そのうち落ち着くんじゃないの?」
トオル「そうそう、それがさあ、案の定あとからメールで〈ゴメンナサイ〉って」
達也「な~んだ、ノロケかよ!」
トオル「ふたり~パレ~ド~♪」
◆達也……のほほ~んとキャンパス・ライフを送っている、今春から大学3年生。意中の愛ちゃんとは友達以上恋人未満。
◆トオル……達也のキャンパス仲間。最近コンパで知り合った美穂ちゃんにイレコミ中。意外と純情。
◆達也パパ……編集テープ作りが趣味の、ちょっと古風な音楽ファン。高校時代は甲子園に出場したこともある。
(注1)筒美京平……日本のポップス・シーンにおける最重要作曲家。これまでに3,000曲近くの楽曲を書き下ろし、500曲以上のヒット曲を生んでいる。