毎回素敵なダンディをお迎えしてお送りする〈月刊太田・ダンディ食堂(DANDY SHOCK-DO!!!)〉。今回のゲストは、遂にファースト・アルバム『C-46』がリリースされた石野卓球(電気グルーヴ)と川辺ヒロシ(TOKYO No.1 SOULSET)のスペシャル・ユニット、InKのお二人です。店主、太田を交えて、話は20年前にタイム・スリップしているようですので、早速どうぞ。

太田:カセット・テープ(※アルバム・タイトル『C-46』は46分カセットテープの意)のアイデアは?
卓球:中目黒の焼き鳥屋で……。
川辺:昔のオーディオの広告の話してて。ちなみに俺は〈レコパル〉派だったんだけど。
卓球:俺は〈FMファン〉。UKチャートが唯一載ってたから。
太田:あ、俺も〈ファン〉でしたよ(笑)!
川辺:まさか〈週刊FM〉ではないよね? 〈FMステーション〉でもなかったでしょ?
太田:うん。川辺さんは〈レコパル〉ね~。
川辺:〈レコパル〉のカセット・レーベル(インデックス・カード)の話になって。レタリング自分でしてたよな~、って。〈T〉〈A〉〈L〉〈K〉〈I〉〈N〉〈G〉〈H〉〈E〉〈A〉〈D〉〈S〉みたいなさ!
太田:そうそう。〈G〉とかなくなっちゃうんだよね、すぐに。
卓球:〈G〉ですか? 俺は〈S〉がすぐになくなってた(笑)。
太田:(笑)〈S〉もなくなりました。……レタリングやりましたよね~。
と、同じように音楽に夢中な10代を送った2人が意気投合し、結成されたInK。CD以前のアナログ、カセット・テープ時代の共通体験も多いようです。
太田:こないだInKのライヴの時、宇川(直宏)さん興奮してましたよ。「ジャケットさっきまでやってたんですよ」って言ってました。
卓球:もうちょっとでジャケットが間に合わないから発売延期(笑)ってとこまで。
太田:あはははは。
卓球:音はもうずいぶん前にあがってたんだけどね。
川辺:グループ名とジャケットが最後の最後まで決まらなかった(笑)。
卓球:そんなの珍しいよ!(笑)
太田:さて。中目黒でそういう話をされていたのはいつ頃なんですか?
川辺:レコーディング中に昔の雑誌を見てて。パイオニア〈プライベート〉とか超カッコいいね、とかノイズ・リダクション(機能)の話とかしてて。
太田:クローム・テープとか使ってたでしょう?
川辺:フェリ・クロームとか使ってた。3ヘッド・3モーターのすごいデッキ使ってた。
太田:ああ! それはすごいなあ。
川辺:DBXのユニットがついてて。DBXってすごいコンプだから。いまだに俺コンプの音に惹かれているのは、たぶんずっとDBXかけて音楽聴いてたからだと思う。
太田:それすごいイイ機種じゃないですか?

ニセInKことOnT
川辺:すごいイイよ。98,000円くらいで。高校に通ったら買ってくれ、みたいな約束してて。すっげえ高いよね、よく考えたらね(笑)。うち全然貧乏だったから、すっごい大変だったと思うよ!(笑)チューナーはトリオで、スピーカーはYAMAHA 10Mの一個上の100Mっていうのがあって。全部ガッチリやってたんですよ。って話をレコーディング中にしてて。
太田:僕も高校上がった時にコンポ買ってよとか話をしてて。馬鹿だから、アンプとチューナーとプレーヤーとデッキ買って。20万以内の予算だったんだけど、それで20万いっちゃって。スピーカー買えないの。ヘッドフォンで聴いてました(笑)。
川辺:ダハハハハ!
卓球:車買ったけど、タイヤ買う金なかった、みたいな話だね。