98年の立ち上げからコンスタントなリリースを重ねて、インディー・シーンで確固たる地位を得ているCoa。これまでに送り出してきたのは空気公団、HARCO、コモンビル、残像カフェ、トミーザグレイト、KIMONO MY HOUSE、狐の会など、ポップさを核に持ちながら、どこかシニカルでトンがった空気を秘めたグループが多い。ディレクターの山本貴政は語る。
「最初は知り合いとか身近なバンドが多かったのですが、2002年くらいから〈リリース=楽しい〉だけじゃなく、それ以上のものを求めるようになった。小さなコミュニティーや身内の間で評価されるより、地方の中学生が聴いても〈凄い!〉と思ってもらえるような、フィジカルの強い歌をリリースしたいと思っています」。
Coaはそのジャケや音から〈ささやか、良質〉というイメージで見られがちだが、「そのパブリック・イメージを打破したいですね。雑貨屋の小物のようなファンシーなものには思われたくないです。ポップなんだけどアンチで、独りよがりではない、開かれているものが理想ですね。マインド的にはパンク・レーベルのつもりです。バンドの音はそれぞれ違っても、それはあくまでもバンドの個性。そういうスピリットを持ってさえいればOKだし、レーベルのカラーもどんどん変わってもいいじゃないかと」。
ポップス、ロック、ネオアコからニューウェイヴ、ブレイクビーツまでをも網羅してきたカタログはすでに40以上を数える。
「8年やってきましたが、苦しいときがあってもそこで続ければ何とかなるんです。10年続ければ何かが残るかな、と最初から思っていましたし。独立系のレーベルの良いところは軽快なフットワークと、自分がやると言った限りは続くところですからね」。