NEWS & COLUMN ニュース/記事

第22回 ─ ゲスト:山本ムーグ(Buffalo Daughter)

連載
月刊太田・ダンディ食堂 
公開
2006/03/30   16:00
更新
2006/07/20   19:24
テキスト
文/羽切 学

毎回素敵なダンディをお迎えしてお送りする〈月刊太田・ダンディ食堂(DANDY SHOCK-DO)〉。今回のゲストは、4月2日に通算5枚目となるニュー・アルバム『euphorica』をリリースするBuffalo Daughterから山本ムーグさんです。アルバムをリリースする度に、常に異なるアプローチで変化し続けてきたBuffalo Daughter。今回はどんなフレッシュなサウンドを聴かせてくれるんだろう?って思っていたら、お。DJのムーグさんもかなり歌ってますねー?  これはどーいうことなの?

太田:最近、映画とかは見ないの?

ムーグ:見るけど、そんなに見ないよ。なんかね、いろんなところで言ってるんだけど、見過ぎた! 聴き過ぎた!ってのがあって。東京にいたらもういっぱいあるじゃないですか? で、もうなんか……。10年くらい前、90年代はいっぱい見て、いっぱい聴いてモノ(作品)を作るって感じだったんだけど、バッファローで言うと『ニューロック』(98年)以降は割と閉じたところから作りはじめてるんだよね。個人的には見たり聴いたりするけど、バンドでは〈これ見た?〉〈これ聴いた?〉ってところでは作ってないですよね。……っていきなり否定(笑)!

太田:アハハハハ。

ムーグ:そのかわり歌ったりしてるんですよ。

太田:今回のアルバム、歌すごいっすよね。ムーグさんも歌ってるし。

ムーグ:〈耳〉と〈目〉を使い過ぎたから、これからは〈口〉と〈鼻〉でいこうかな、って(笑)。

太田:(爆笑)〈口〉と〈鼻〉! 〈口〉と言えばグルメ系はどーなんですか?

ムーグ:グルメってほどじゃないけど、ふつうに友達の家に行って、作って食べるとか。楽しくないですか? 大抵誰か豆乳鍋とかやってんだよね。週末に(笑)。

 今回のアルバム・タイトル『euphorica』はeuphoria(強い高揚感、幸福感の意味)に〈c〉を足した造語なんだって。で、身の周りにはまだまだ気付いてない幸せ、たくさんあるものです。ほら、もうありませんか? そこに。

太田:豆乳鍋に参加してるんですか? ムーグさん。

ムーグ:参加はしてませんね、でも鍋やったなんて話を聞くだけでもいいよね~。モードがすごく変わった感じがしますね。今までは〈あれ聴いた?〉とか多かったんだけど、最近は一緒にご飯食べるとか、それが幸せ。

太田:いつ頃からなんですか? そういう気持ち。

ムーグ:やっぱり『I』(2001年)の頃が一番悩んでたんですよ。世の中暗いし、不景気になるし、いいニュースないし。まわりのみんなが貧乏になってくし(笑)。で、『Pshychic』(2003年)の頃は開き直っちゃって。そういうなかで何ができるか、何も考えないで試していたら割と抜けたものがスッとできちゃって。それからは軽くなりましたよね。なんか、探せばいい芽生えみたいなものがあることに気が付いちゃって。

太田:で『euphorica』に?

ムーグ:うん。最近は〈何聴いた?〉じゃなくて〈何歌った?〉なの。カラオケで(笑)。

太田:アハハハハ! 最近何を?

ムーグ:最近は洋楽に挑戦中!

太田:誰ですか?

ムーグ:ニルヴァーナ。ベック。

太田:お!

ムーグ:ビートルズ。プリンス。

太田:いいなぁ!

ムーグ:デヴィッド・ボウイ。ようするに自分に酔えるヤツ(笑)。あと有名な曲がいいよね。

太田:プリンスいいなー。

ムーグ:すごいっすよ、プリンス。歌ってみると。歌ってはじめて気が付くプリンスのすごさ!

太田:どんなところに?

ムーグ:プリンスの“Kiss”は途中からキレるんですよ。それを一緒に歌おうとして、付いていけなかった時に〈すごいわ、この人〉って思って。音楽の聴き方変わったね。デヴィッド・ボウイの“Heroes”も途中でキレるんですよね。これもすごい! 今まで何十回と聴いてきた曲が歌ってみてはじめてわかることってたくさんあるから。歌って検証!みたいな感じでしたね。

太田:なるほど。

ムーグ:それから音楽楽しく聴けるようになって。別に新しい、古いとか関係なくなっちゃって。誰が一番キてるか?って(笑)。

太田:(笑)誰がキてますか?

ムーグ:プリンスもボウイもすごいね。あとカート・コバーンのあの投げやりな感じもいいよね。音程しっかりしてないんだけどあの感じ、歌ってみてよくわかったし。ジョン・ライドンもね。

記事ナビ