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第6回 ─ キャプテンストライダム

連載
SPOTLIGHT!
公開
2006/03/16   00:00
更新
2006/03/16   20:51
ソース
『bounce』 273号(2006/2/25)
テキスト
文/久保田 泰平

ポップスの旨味を凝縮した、歯ごたえ十分なうたを味わおう!!


 はっぴいえんど、太田裕美、松田聖子、Kinki Kids……噛み砕き甲斐のある〈ことば〉で日本のポップス・シーンに情感豊かなストーリーを数多くもたらした作詞家の松本隆に見い出され、彼のレーベル=風待レコードからこのバンドがデビューしたのは、2003年の夏。以降、パロディーとは意の異なるユーモアたっぷりの詞世界と、3ピース・ロック・バンドという形態を採りながらも雑食性の強い音楽性でもって、耳を止めずにはいられない個性的な〈うた〉を発信し続けてきたキャプテンストライダム。このたびリリースされたばかりのセカンド・アルバム『108DREAMS』は、そんな彼らのチャームが、前作にも増して凝縮されているアルバムだ。ヴォーカル/ギターの永友聖也は60年代のグループ・サウンズや歌謡曲などに強く影響を受けたというが、彼がこのバンドに映し出しているのは決して〈ノスタルジー〉ではなく、あの頃のうたが持っていた〈夢のある世界〉。聴き手の解釈によって世界観が限りなく広がっていく〈噛み砕き甲斐のある〉うたが、ここにはあるのだ。