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第81回 ─ 冨田ラボ『Shiplaunching』を形成した高品質な〈素材〉を検証!

連載
360°
公開
2006/03/02   15:00
更新
2006/03/02   18:26
ソース
『bounce』 270号(2005/10/25)
テキスト
文/久保田 泰平

<三世帯住宅>的コラボレーション!?

 デビュー時から親密に関わり続けているキリンジや、MISIA、平井堅、中島美嘉、Crystal Kayなど数多くのアーティストを手掛け、日本のポップス・シーンを潤わせる良質な作品を送り続けてきた作曲家/プロデューサー、冨田恵一。2003年には松任谷由実、ハナレグミ、Saigenjiらをフィーチャーした自身のセルフ・プロジェクト、冨田ラボのアルバム『Shipbuilding』を発表して、ポップメイカーとしてさらに熱い注目を集めた彼が、このたびその続編となるアルバム『Shiplaunching』を完成させた。

「フィーチャリング・ヴォーカリストでアルバムを作るっていう『Shipbuilding』と同じ手法ではあるし、いろんなジャンルが包括されたアルバムということで、すごくカンタンに言うと〈Shipbuilding 2〉みたいな感じ。前回と大きく違うのは、ヴォーカリストが詞を書いていないところだね。それは、最初の先行シングル“Like A Queen”を作った時に〈盛りだくさんの曲にしたい!〉というところから始まって。『Shipbuilding』よりもうひとつコラボレートのコマを増やそうと。で、“Like A Queen”の詞を吉田美奈子さんに書いていただいたとき、ある方に〈これは三世帯住宅みたいだね〉って言われて。僕が40代真ん中で、作詞が僕より10コぐらい上の世代、歌っているのが僕よりずっと下の世代っていう。それで、次のシングルも同じ〈三世帯〉的な手法でやったらおもしろいんじゃないかと思って。で、そこまで来たら後戻りできないというか、アルバム一枚そうしなきゃみたいな感じになっていって」。

 個性も才能も豊かな乗船客ーーヴォーカリスト、作詞家たちを乗せ、めでたく〈進水〉することになった『Shiplaunching』。次項では、収録曲に組み込まれた〈音の素材〉を、ご本人に検証していただくことにしましょう。

▼冨田恵一のプロデュース/リミックス楽曲を収めたアルバムの一部を紹介。

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