個性派揃いのインディー・レーベルをガイド!
Vol.5:Libyus
「僕がもともと提唱しているブレイクビーツというものは形式や音楽的な呼称ではなく、ヒップホップが始まったときみたいにいろいろな音楽が混ざってまったく別の新しいものが生まれる、そういう概念や手法を形にしたいと思っているんです」と語るのは、レーベル代表の竹内方和。FORCE OF NATURE、DEV LARGE THE EYEINHITAE、nujabes、RIOW ARAI、ファット・ジョン、Chimp Beams、S as in Soul. ……錚々たる面々の作品を送り出してきたLibyusは、ブレイクビーツと総称される音楽をストイックに突き詰めてきた。想像力を刺激する色彩豊かなサウンドとビートの強度が鮮やかなインパクトを残すそれぞれの作品は、ハウス~テクノ~アンビエントといったクラブ・ミュージックのエッセンスはもちろんのこと、ソウルやファンクなどの要素も内包しているが、とりわけヒップホップからの影響が強いという。
「ヒップホップを中心にいろんなダンス・ミュージックを聴いてきて、そのネタとなった音楽も聴いたうえで何を表現できるかを形にしている人が、いま付き合っている人たちだと思うんです」。
レーベル名の由来はいくつかあるそうだが、「ひとつはListening Is Believing By Us。〈百聞は一聴に如かず〉という意味です。音楽に接するにあたって自分の耳を大切にしてほしいし、そうありたい。そしてそういう音楽を自分たちで発信していきたいですね」。
そんな真摯な姿勢は、レーベルとしてのあり方にも表れている。
「アーティストは作品を作ればいい、レーベルは作品を世に出せばいいという考え方は嫌いなんです。みんなでいっしょに作って、みんなで売って、リスクもみんなで背負おう、と。それがインディペンデントだと思いますし。大切なのは〈ONE FOR ALL, ALL FOR ONE〉ですね」。