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第55回 ─ CINEMA dub MONKS

連載
NEW OPUSコラム
公開
2005/12/22   13:00
更新
2005/12/22   18:57
ソース
『bounce』 271号(2005/11/25)
テキスト
文/本橋 卓

映像と音、色彩と残響で綴る独特の物語を体感できるライヴ盤が登場!!

 いまだかつて、こういう形でサウンドとヴィジュアルを結合させたバンドはいないと思う。スライド映像とアコースティックな演奏という、いわば原始的ともとれる視聴覚の表現を用いて行なうライヴ・パフォーマンスは、まさにワン&オンリーの存在感がある。フルート、ピアニカ、木琴、そしてテープ・レコーダーなどをプレイする曽我大穂と、ジャジーなウッドベースを奏でるガンジー西垣、そしてスライド映像担当の石川徹から成るCINEMA dub MONKSというユニットの表現するもの――それは〈視覚的な音楽〉であり、また〈聴覚を闊達にする映像〉という側面も併せ持っているのだが、このおもしろさを言葉で表す歯痒さを考えると、彼らの新作『cinema, duo』をとにかく手に取って聴いて&観てほしいのである! 

 今作は7月に、渋谷の半廃墟状態の古いビルで行なわれたライヴの実況録音盤で、その模様を収めたDVDも付属している。音をじっくりと聴いたうえで映像を観るも良し、その逆も良し。いずれにせよCINEMA dub MONKSというユニットの魅力がいっぱいに詰まった内容なのだ。映写機が仄かに照らすステージの上で、ピアニカとウッドベースの柔らかな音色が共鳴し、同時に背景に映し出されているスライド写真もそれらと響き合っているかのような感覚に襲われる。

 また、彼らの作品からは文学的な側面や、いわば〈物語性〉のようなものを多分に感じ取ることができる。あるひとつの〈物語〉を設定して音楽を組み立てていくという試みは、彼らがスペインで活動していた2002年頃に得たアイデアだという。アラブ~アフリカ~ヨーロッパなどの文化が交錯する港町=バルセロナを拠点に精力的なライヴを行なっていた彼ら(あのマヌー・チャオも絶賛!)。そこで築き上げた一筋縄ではいかない〈物語〉を、ぜひとも体感すべし!!