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第3回 ─ 時空

連載
INDIEVIDUALITY
公開
2005/11/17   16:00
ソース
『bounce』 270号(2005/10/25)
テキスト
文/bounce編集部

Flying Rhythms、ALTZ他を擁するレーベル時空を解剖

 地下から重く響いてくる強靱なビート。使い古された文脈からはかけ離れた、あきらかに異形で革新的な音の数々……BLAST HEAD、ALTZ、Flying Rhythmsらを擁し、いままさにダンス・ミュージックの新たなページをめくらんとするレーベル〈時空〉。プロデューサーの山辺圭司は語る。

「最初は〈是空〉という名前で、〈雨〉や〈眠り〉といったコンセプトを設けてやっていました。でもやっぱり自由に発想しながらやりたくて、次第にコンセプチュアルなものにも限界が見えてきたから、コンセプトは取っ払ってもっと音楽自体に寄っていこうと。自由な感じでできる名前に変えて、それが〈時空〉です」。

 冒頭で挙げたアーティストたちに共通しているのは、決してひとつの枠組みや言葉で表せない音と、その内側で複数の要素がぶつかり合って生み出される、激しいエネルギーだ。彼らはダンス・ビートの改革者であり、それゆえに規格外の存在でもある。

「(レーベルとしては)なんでもありなんだけど、何かの基準はあるんですよね。ただダンスだけとかそういうものじゃなくて、たとえばパーカッションものもあるとか……。1組のアーティストでも、いろんな色が見える感じのほうが引っかかると思うんです。アーティストがいっぱいいるよりも、1組のアーティストがいろんな方向性を見せてくれたほうがやりやすいというのもある」。

 音楽配信などに話を向けてみると、「僕はパッケージとしてのおもしろさを捨てきれないので、そこで何ができるかチャレンジしたい。ヴィジュアルがあって音もあるような、相乗効果のあるものを音楽を通じて探りたい。そこはやれるだけやってみたいですね。そして日本だけじゃなくて、世界のどこかにいるであろう聴いてくれる人がターゲットでもあるんです」。

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