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第19回 ─ ゲスト:岸田繁(くるり)

連載
月刊太田・ダンディ食堂 
公開
2005/11/17   14:00
更新
2006/07/20   19:24
テキスト
文/羽切 学

わんばんこー。すっかり寒くなってきましたがいかがお過ごしですか? 今月も〈月刊太田・ダンディ食堂(DANDY SHOCK-DO!!!)〉の時間がやってまいりました。今回は秋の全国ツアーの真只中、そして最新アルバム『NIKKI』が間もなくリリースされるくるりの岸田繁さんをお迎えしました。電車好きな岸田さんにマスター太田も話したいことたくさんの様子。というわけで、目がまわるような展開の電車話を早速どうぞ。

太田:最近、Bトレイン・ショーティって出ているの知ってます?

岸田:ああ、知ってます。

太田:あれが、小田急線の売店で売ってるのを見かけたのが‥‥2年前とかかな? さくら屋のホビー館とかだともっといっぱい種類があったりとかして。

岸田:ありますよね。

太田:それの井の頭線! ビックリしたんだけどちゃんと7色全色あるの!

岸田:そう! 7色。レインボーカラーって言ってるんですけど。……うんちく言ってもイイですか?

太田:(笑)それを聞きに来たんで!

岸田:いまはもうないんですけど、昭和37年にアメリカのバットって会社があって。電車作ってた会社で、そこと東急車両が提携してステンレスの車両を作ったんですね。いまだとだいぶ形変わっちゃってるけど、池上線とかで走ってるやつかな。

太田:それが最初なんだ!?

岸田:ほぼ同時期くらいなんですけど、昭和36、7年くらいに、東急と京王の井の頭線と、南海にその電車が入って。東急のは完全にフィラデルフィアの地下鉄をモデルに……。

太田:トップが四角いですよね?

岸田:そうです。ベンチレーターとかもFRPで。そう、FRP(強化プラスチック)も流行ったんですよね。で、井の頭線は……京王は車両が丸いじゃないですか? その伝統は守ってステンレスなんだけど、そのままだったら冷たい感じがするから、FRPのカバーを付けて(笑)、それで色も7色にしよう、と。

太田:あれ、微妙なパステルカラーですよね。昔から不思議だったんだけど。

岸田:確かにそうですよね、昔だったらもっと原色使いそうなもんだけど。

太田:で、いまになってわかったのが紫と緑紫だかがあって。昔は紫と薄い紫だと思ってたんだけど。

岸田:青も薄いやつありますよね。赤だったり、白だったりならわかりやすいじゃないですか? あれ、微妙ですよね! その辺の意図もわかりかねるんですけど。

太田:(笑)今後の研究課題としてはいいかと。

岸田:電車の色って割と曰くがついてることがあって。戦前ってぶどう色とか焦げ茶色が多いんですね。で、戦後の復興期は明るく行こう、ってことで電車の色も明るくなった。営団、いまの東京メトロの丸ノ内線が赤になって。

太田:赤! 赤に変な模様!

岸田:あれが1954年なんですよ。で、色を決める時にえらい人がロンドンで見たタバコケースをイメージして、芸大だか美大の人がデザインしたのかな?

太田:あのヒョロヒョロってしたデザイン。

岸田:あれ地下鉄っぽいイメージでしたよね!

太田:でも一番地下鉄っぽいデザインは営団のマークでしょ?

岸田:あのUFOみたいなマークね!……俺あれのタトゥーを掘りたいんですよ(笑)。

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