世界を驚かせたコスモポリタン・ポップ。静かなる官能を描いた名作がリイシュー
Seigen Onoの最高傑作と言っても異論はなかろう、94年作『BAR DEL MATTATOIO』と、ライヴ盤『MONTREUX 93/94』。世界を駆け巡り、一流の音楽人たちを唸らせてきた彼の音楽の、もっとも芳醇な部分が詰まった2枚がリイシューされた。カエターノ・ヴェローゾがライナーノーツを寄せたことでも知られる〈BAR~〉は、腕利きを多数招き、見た目も鮮やかな料理の数々を振る舞うスケールの大きな作品で、Ono劇場の看板舞台である。88~94年にかけてNY、パリ、リオデジャネイロほか世界6都市でレコーディング、計47人のプレイヤーが参加。微笑みや涙やため息が交じり合ったサウンドは、どこかノスタルジックなメロディーとピッタリ呼吸を合わせて感動的なシーンをいくつも作り出す。また、〈スタジオの壁もひとつの楽器〉というSeigen のメッセージがはっきりと伝わってくるサウンドでもある。〈MONTREUX~〉は93、94年の〈モントルー・ジャズ・フェスティヴァル〉にSeigen Ono Ensembleとして参加したときの豊潤な時間の記録。夜明けの時間帯が似合うという点で稀有なライヴ盤だ。

Seigen Onoの94年作『BAR DEL MATTATOIO』(SAIDERA)