母性を感じさせる歌声で、優しく子守唄を歌ってくれる10人の歌姫たち
『Apple of her eye りんごの子守唄』に集ったステキ&スペシャルな歌声を持つ女性ヴォーカリストたちをカンタンにご紹介。まず、冒頭曲“Here Comes The Sun”を歌うのは、「僕にとってのニーナ・シモン」(鈴木惣一朗:以下同)という、Port of Notesでもお馴染みの畠山美由紀。続く“Across The Universe”は、セルソ・フォンセカが手掛けたデビュー作も話題となったchie。次のイノトモは“Julia”を披露。「WORLD STANDARDの〈JUMP FOR JOY〉でヴァシュティ・バニアンのカヴァーをやったんだけど、その曲と同じアシッド感がビートルズのなかでいちばんあるのがこの曲。だったらイノトモに歌わせたらもう最高になるだろう、と」。Ann Sallyによる“Yesterday”に続く原田郁子の“I Will”は、「彼女のカジュアルさと、自由なデニムのような、お母さんのような感じが似合うだろうな」ということで、鈴木と彼女の考えが一致したという。
新感覚を持ったジャズ・ヴォーカリストとして期待されているnoonは、“Sun King”をカヴァー。「彼女の発音のおもしろさや難波のフレイヴァーを、呪文のようなインチキラテン語でミニマルになっていくこの曲で転がしていくっていうアイデアがひらめいた」。ブラジリアン・ユニット=Bophanaは、得意の男女ツイン・ヴォーカルで“Ask Me Why”をカヴァー。また、「シャウトしてもぜんぜんうるさくなくて、柔らかいけれども情熱的」というEGO-WRAPPIN'の中納良恵による“Dear Prudence”は、迫力満点ながらもどこか包み込むような優しさを感じさせてくれる。オキナワ出身の大型新人=首里フジコは、オールドタイミーかつユニークに“Honey Pie”を。「彼女のなかにあるヴォードヴィルな感じはこの曲でより開花する、と強く思って」。〈天使の歌声〉湯川潮音による“Because”は、聴く者すべてにタメ息を洩らさせること間違いなしのホーリーな仕上がりに。そして、「彼女がこの曲でラストを締めるというのはいちばん最初からあった」という、Ann Sallyが出産直後にレコーディングした“Good Night”でこのララバイ集は静かに幕を降ろします。