時代や世代を超えて輝き続けるジャパニーズ・ナンバーの数々。そんな名曲たちをカーステで流しながら、今日も気ままなドライヴへGO GO!
トオル「今日も安全運転よろしくね!」
達也「ハイハイ。調子いいなあ、オマエは」
トオル「ミスドおごってやったじゃん」
達也「つうか、ドライヴのお供にミスドをチョイスするのって結構レアなセンスじゃない? まあ、甘党で相武紗季ファンのオレにはツボだけど」
トオル「だろっ? それに、運転中でも食べやすいようにグラニュー糖まぶしてな
いやつ選んでんのよ」
達也「ヘンなとこに気が利くんだな……」
トオル「ねえねえ、ラジオでも聴かない? 山下達郎の番組始まっから」
達也「へぇ~、そういうのチェックしてんだ」
トオル「たまにね。おっ、今日は達郎のニュー・アルバム特集らしいぜ」
達也「7年ぶりらしいな……って、オレもそんなに詳しいクチじゃないんだけどさ」
トオル「7年前ってオレら中学生だな」
達也「そう考えるとすごい時間だな」
トオル「……あれ? この曲知ってるよ」
達也「CMかなにかの曲じゃない?」
トオル「そっかも……あっ、これは〈めざましテレビ〉でかかってた曲だ! そうそう、〈めざまし〉で思い出したけど、商学科の愛ちゃんとはその後どうなのよ?」
達也「ああ、愛ちゃん? 実はこないだいっしょに映画観に行って」
トオル「キターーーー(゚∀゚)ーーーー!!!!」
達也「オマエは2ちゃん用語を得意げに使いたがる中年オヤジか!?」
トオル「sage……で、何を観に行ったの?」
達也「〈NANA〉」
トオル「ほぉ! んでんで?」
達也「宮崎あおいが可愛かった!」
トオル「んじゃなくて、映画のあとどっか行ったの?」
達也「中華街で晩ごはん食べて……」
トオル「で?」
達也「〈鴻昌〉っていう店に行って……なんか、ウチのオヤジが言ってたんだけど、ここのオーナーは昔、すごく有名なバンドの人だったんだって」
トオル「へぇ~……じゃなくて、晩ごはん食べて、そのあとよ」
達也「山下公園でかるく散歩して、帰った」
トオル「チ、チューとかしなかったのか?」
達也「だってまだ2度目のデートだぜ」
トオル「なに大正生まれの人間みたいなこと言ってんの?」
達也「クリスマス・イヴまでにはなんとか」
トオル「あらあら、慎重ですこと」
達也「つうか、達郎の番組終わってるよ」
トオル「じゃあ、達也パパの編集したテープ聴こうぜ。え~と……おっ、これなんかイイんじゃない? 〈MY SUGAR BABE〉」
達也「シュガー・ベイブって、達郎が昔やってたバンドの名前だよ」
トオル「ってことは、達也パパが選んだ〈達郎ベスト〉みたいなやつかな、コレ?」
達也「でも、1曲目は女性ヴォーカルだぞ!?」
トオル「これって一十三十一じゃねえ? 彼女いいよねえ、肌質が」
達也「……」
トオル「……おっ、この歌声はBONNIE PINKじゃん。いいよねえ……」
達也「肌質が、か?」
トオル「いや、しゃべり方が。京都生まれでしょ、彼女」
達也「ヘンなこと詳しいな」
トオル「オザケンも入ってるぞ。小学校のとき流行ったよな、この曲。でも、これって達郎とどういう関係があるんだろ?」
達也「達郎のカヴァーとか? もしくは達郎が作曲したとか?」
トオル「そうなのかなあ……あれ? この曲は達郎の声だね」
達也「シュガー・ベイブだよ。これはオヤジに何度か聴かせてもらったことある」
トオル「ふ~ん……サザンも入ってるなあ」
達也「こういうコーラスの厚い曲って、達郎っぽいと言えば達郎っぽいけど」
トオル「次のザ・キングトーンズっていうのもそんな感じだな。で、最後のほうは女性ヴォーカル物が続いてるみたいだけど。最後の竹内まりやは達郎の奥さんだろ?」
達也「そうそう」
トオル「曲名が“Morning Glory”ってあるけど、これって〈朝顔〉って意味だろ?」
達也「よく知ってんじゃん! だてに大学生やってないな」
トオル「達也も早いとこ愛ちゃんの〈朝顔〉見れるといいな」
達也「意味わかんねえよ、それ」
◆達也……のほほ~んとキャンパス・ライフを送る大学2年生。
◆トオル……達也のキャンパス仲間。お調子者。
◆達也パパ……ちょっとした音楽通。高校時代は甲子園に出場したこともある。