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第1回 ─ ガラス越しに消えた夏

達也パパが教えてくれる、夏の終わりにキラ☆めく名曲群

連載
ライド音タイム
公開
2005/09/22   16:00
更新
2005/11/16   23:28
ソース
『bounce』 268号(2005/8/25)
テキスト
文/bounce編集部


A面
“Melody For You”
 〈シティー・ポップ〉とか〈日本のAOR〉っていう文脈で真っ先に名前の挙がる角松敏生。この曲が入った85年のアルバム『GOLD DIGGER』(BMGファンハウス)は、アフター5なムードたっぷりのアーバンな一枚。当時、いち早くヒップホップへの接近を図ったポップス・アルバムでもあるんだな、コレは。

“EMANON” 
 シンセ導入や、多彩なリズム・アレンジなどを聴かせたサザンオールスターズの83年作『綺麗』(TAISHITA/スピードスター)。そのアルバムからシングル・カットされたこの曲も、サザンには珍しい、ちょっぴりアダルトな雰囲気を持つナンバー。タイトルをひっくり返して読むと〈NO NAME〉だったのね。

“夏のクラクション” 
 80年代を代表するメロウ作家、林哲司が稲垣潤一のレパートリーの多くを作曲しているんだけど、終わっていく夏の風景を描いて大ヒットしたこのナンバーは、筒美京平の作品。83年リリースの『J.I.』(Imperial)に収録されてます。彼の透明感ある歌声は、ドラマチックな恋愛風景によく似合うんだなあ。


“LAHAINA” 
 矢沢永吉の歴史のなかで、もっともメロウだった80年代前半。この曲が収録されてる82年の『P.M.9』(ワーナー)は、YAZAWA初の海外レコーディング・アルバムで、TOTOのスティーヴ・ルカサーやジェフ・ポーカロをはじめ、ウェストコースト・ロック~AOR文脈の錚々たるプレイヤーが参加してるんだ。

“あまく危険な香り” 
 山下達郎、82年の大ヒット。カーティス・メイフィールド“Trippin' Out”を引用したイントロが印象的なこの曲は、季節の変わり目にふと聴きたくなるライト・メロウな逸品だね。同年にリリースされたアルバム『FOR YOU』(BMGファンハウス)の現行盤に、ボーナス・トラックとして収録されてるよ。


B面
“流星都市” 
 ソウルやジャズといった黒っぽいフレイヴァーを散りばめながら、90年代のJ-Popシーンに大人向けのポップスを響かせてくれたオリジナル・ラヴ。なかでもこの曲が入っている95年発表のアルバム『RAIN-BOW RACE』(ポニーキャニオン)は、都会の夜のアーバンなイメージを強く感じさせるアルバムなんだ。

“愛のCoda” 
 デビュー当初からそのグッド・メロディーには定評のあったキリンジ。この曲は、音の構成がよりシンプルになってAORチックなテイストを強めた2003年のアルバム『for beautiful human life』(東芝EMI)のなかにあって、とりわけメロウな一曲。ストリングスやアコースティック・ピアノの使い方がニクイぞ。

“茜色が燃えるとき”
 〈We are Funky "Mellow" Fellow!〉と言い放つスクービードゥーのメロウ・サイドを強く打ち出した2004年のアルバム『Beautiful Days』(スピードスター)収録のこの曲は、夕陽で紅く染まった夏の終わりの風景を思い起こさせるナンバー。甘く切なく16ビートを刻むギターがまた男泣きを誘うんだなあ。

“ENDLESS SUMMER NUDE” 
 血気盛んな『GREAT ADVENTURE』に続く98年作の『I Will Survive』(キューン)は、真心ブラザーズのポップかつメロウな側面を強くアピールしたアルバムだね。なかでもこの曲は〈超〉が付くぐらいの名曲だと思うんだよね。これを聴くとホント〈夏が終わるな……〉って気持ちになるよ。

“せぷてんばぁ” 
 やっぱこの季節にはこの曲が胸に来ます。CKBの前身であるZAZOUの頃からのレパートリーだったこの曲は、夏の終わりにふらり訪れた鎌倉で、終わった恋を思い出す……と歌った、センチメンタルなボサノヴァ・ナンバー。ベスト盤『BEST OLDIES BUT GOODIES』(サブスタンス/Pヴァイン)でどうぞ。

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