8月14日(日)
CAESERS(SONIC STAGE)
photo by SUMIE
入場規制がかかるほどファンの期待が大きかったシーザーズ。はるばるスウェーデンから来た甲斐があるってもの。メンバーが登場したとたんに、詰めかけたファンの歓声が上がる。サイケデリックなキーボードの響きとUKライクなギター・サウンド。ヒット曲“Jerk It Out”のイントロだけで、どよめく会場。ヴォーカルのシーザー・ヴィダルも「ミンナ、セクシーダゼ!」と大喜びだった。*村尾
LITTLE BARRIE(SONIC STAGE)
photo by TETSURO SATO
ドラム・セットをステージの真ん中に据えたせいで、ドラムスのウェイン・フルウッドの巨漢ぶりに圧倒されたリトル・バーリー。そのウェインのねっとりしたビートが最高にグルーヴィー。そこにギタリスト、バーリー・カドガンの必殺のリフが切り込んでいく。じわじわとノセていくパフォーマンスはファンクの旨味たっぷり。観客もゆっくりと横ノリしながら、達者なプレイを楽しんでいた。*村尾
THE RAKES(ISLAND STAGE)
ヴォーカル、アラン・ドノホーのヘンなダンスを〈ISLAND STAGE〉で観ると、人形劇みたいでなんだか可愛いかったりして。シャープでネジレたギター・サウンドに乗って、ひょこひょこ動くアラン。マネしたくなるなあ、と思っていたら、側の女の子二人組が早速やっていた。コンパクトなステージだけに、バンドとファンとの親密なコール&レスポンスが楽しめるライヴだった。*村尾
photo by YUKI KUROYANAGI
THE ORDINARY BOYS(MARINE STAGE)
ステージにデカデカと飾られたバンドのフラッグ。その旗のもと、オーディナリー・ボーイズが疾走する。デビュー作からの“Over The Culture”でスタート、もちろん新作『Bassbound』からの曲も取り混ぜて、新旧半々くらいのセットでステージは進む。「ミンナ、ハネテ!」「イッショニ、ウタオウ!」など、ブレストンの日本語MCもファンの心を熱くする。モッズ魂よ、永遠に!*村尾
RODDY FRAME(SONIC STAGE)
かつてネオアコ・シーンの貴公子として名を馳せたロディ・フレイム。そのジェントルさは今も変わらないまま、独りアコースティック・ギターを抱えて、〈SONIC STAGE〉の広い舞台でパフォーマンスを披露した。どうしてもアゲるサウンドが中心となるフェスで、ピンと張ったアコギの弦の響きが静かに染みわたっていく。その清冽なメロディーにじっと耳を傾ける観客たち。ファンが待ち望んでいたアズテック・カメラのナンバーも、そんなアンプラグド・ヴァージョンで。なかでも“Oblivious”“The Boy Wonders”といったファーストからのナンバーには、まさに青春プレイバック。“Over You”などソロ最新作『Surf』からのナンバーも、じっくりと聴かせてくれた。サンキュー、ロディ!*村尾
BLOC PARTY(SONIC STAGE)
photo by TETSURO SATO
UKロック新世代のなかでも抜群の人気を誇る彼らだけに、会場を包む熱気は相当なもの。ライヴが始まると、最前列はペットボトルとモッシュが飛び交う激戦区に。ケリー・オケレケのパワフルなヴォーカルを支えるべく、上半身裸でビートを叩き込むマット・トンほか、メンバーの演奏もビシッと引き締まっている。必殺のナンバー“Hellicopter”の盛り上がりも凄まじく、バンドの実力を見せつけた。*村尾
TEENAGE FANCLUB(SONIC STAGE)
5年ぶりの新作『Man-Made』を引っ提げて、サマソニ参戦したティーンエイジ・ファンクラブ。オープニングには名作『Thirteen』の1曲目“Hang On”を持ってきて、ファンの心をがっちり掴む。セット・リストの半分は新作からで、“It's All In My Mind”や“Fallen Leaves”“Time Stops”などを披露。そこに挟み込むかたちで、“Sparky's Dream”や“Concept”など、エヴァーグリーンな名曲の数々を愛おしむように演奏してくれた。息の合ったハーモニーとバンド・アンサンブルは、どこまでもオープンな心地良さ。ふとあたりを見回すと、両親の膝に抱かれた小さな女の子が顔を輝かして踊っている。その姿がとてもキュートだったりもして。最高です。*村尾
PUBLIC ENEMY(MOUNTAIN STAGE)
フレイヴァー・フレイヴ欠席の穴もなんのその、その爆発的なステージングは凄まじかった! DJとお馴染みの軍服セキュリティー・ダンサー、そして生バンドという編成が最強のビートをビシビシと発射しまくり、チャックD(とサイド・ラッパー)が衰え知らず(本当に!)の弾丸ラップを被せていく。なんかもう戦場のようだった。“Power To The People”“Don't Believe The Hype”“Give It Up”“Fight The Power”といった問答無用の楽曲群がフロアを百発百中。〈Soul Power!〉というコール&レスポンスや、チャックDの〈1 Time!〉〈2 Time!〉というかけ声と共にターンテーブルでホーンの音を出すという、JBイズムに溢れた演出なども含めいちいち燃える。アジテーションとエンターテイメントの両輪がガッチリと手を結んだエキサイティングなライブだった。PEACE!*内田
THE LA'S(SONIC STAGE)
スティーヴィー・ワンダー、パブリック・エナミー、ダフト・パンク、デヴィッド・ボウイなどが流れるなか、いよいよ開演。しかしこんなにも淡々としてていいんだろうかってぐらいの演奏ぶりだったが、〈ビートルズとかもこんな感じだったのかなぁ〉とかふと思ってしまうんだから、その奏でられる音楽の素晴らしさはやはりとんでもない。ほとんどMCをしないシャイ君リー・メイヴァース(地味~に手を振ったところは確認)に代わり、ベースのジョン・パワーがサーヴィス精神を発揮してくれていたが、やはり中盤で披露された“There She Goes”が最大の歓び。まさしく天にも昇るメロディーが降り注いだ。その後は“Timeless Melody”“Feelin'”といったアップテンポ・ナンバーでグイグイと引っ張っていく。リーのチャック・ベリーを彷佛とさせるアコースティック・ギターとしゃがれ気味のヴォーカル、ジョンとの抜群のコーラス・ワーク、立ったままのドラム、そのすべてに不変のリヴァプール魂が息づいていた。翌日のワンマン公演ではアンコール・ラストで「Dedicated To Oasis」と言ってザ・フーの“My Generation”を披露していたが(ちなみにオアシスのリアムも見に来てました)、大阪サマソニではそれにプラスしてローリング・ストーンズの“Jampin' Jack Flash”を演奏したというから羨ましいことこのうえない。*内田
OASIS(MARINE STAGE)
人がこぼれ落ちそうなくらい超満員の千葉マリン・スタジアム。そんななかPAの不調でライヴは押しまくり、暇潰しにウェイヴをやりながらバンドを待つ数万の観客の前に、40分後ついにオアシス登場! 「待たせたな」そんなふてぶてしさで、早速“Fuckin' In The Bushes”をプレイ。その後は最新作『Don't Believe The Truth』からのナンバーに初期シングル曲を取り混ぜた、ファンには堪らない展開に。“Morning Glory”“Live Forever”“Wonder Wall”などなど、そのどれもが名曲中の名曲。イントロが始まるたびに感嘆の声が上がる。タンバリンを頭に乗せていても、リアムの男っぷりは変わらない。ノエルも負けじと歌い、バンドは寡黙に仕事をこなす。アンコールはザ・フー“My Gereration”でキメて、夜空にでっかい花火を打ち上げた。まさしく〈ロックンロール・スター〉ここにあり!*村尾
▼上記出演アーティストの近作品