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第61回 ─ 新時代の到来を予感させるソロ・ビューティーが大集合!!

AIMEE MANN サウンド・スタイル、キャラクター、いずれも個性的な春の新作をご案内

連載
360°
公開
2005/05/06   13:00
更新
2005/05/06   19:16
ソース
『bounce』 264号(2005/4/25)
テキスト
文/五十嵐正

豊かなキャリアとクリエイティヴィティーで作品に生命を吹き込むクール・ビューティー
 エイミー・マンの約3年ぶりとなる新作『The Forgotten Arm』のカヴァーには殴り合うボクサーのイラストが使われている。これはヴェトナム戦争帰りで麻薬中毒のボクサーとその恋人の物語というコンセプト・アルバムの内容に即したもので、ボクシングは彼らの苦闘のメタファーでもあるわけだが、女性歌手のアルバムにはあまり見かけない種類のカヴァーといえる。思えば、2000年に自分のレーベル、スーパーエゴを設立してから、本人のルックスの良さにも関わらず、表ジャケにエイミー自身は登場しなくなった。

「アートワークとの共同作業によって、物語を語るのを継続させたり、雰囲気を提供したりしたい。それを歌っている人間の写真よりもずっと興味深いわ。だって、私には曲がパフォーマンスよりも重要だし、曲の語る物語が私の見かけよりも、それこそ歌唱よりも重要なの。曲がもっとも重要なのよ」と彼女は言う。

多くの女性アーティストがそのヴィジュアルで過度なまでのセクシーさを競って売りものにしている昨今だから、あくまで「曲がもっとも重要」というエイミーのソングライティングを第一にする姿勢は際立つ。彼女は、ポップ音楽の歌手にありがちな自己顕示は、曲の語る物語にかえって邪魔になることを知っているのだ。

 MTVで流されるプロモ・クリップがヒット曲を続々と生み出していた85年にティル・チューズデイの一員としてデビューし、アルバム『Voices Carry』の大ヒットで一躍人気者になったエイミーだから、ヴィジュアルが音楽を売ることは体験済みである。だが、彼女は音楽業界の女性歌手の売り出し方の型にはめられることとずっと戦い続け、エルヴィス・コステロと共作するなど、ソングライティングの技巧を磨くことを最優先にしてきた。

 新作『The Forgotten Arm』はそんな彼女の曲の人物描写や語り口の上手さをじっくり味わえるアルバムで、本人いわく「存在しない映画のサウンドトラック」である。70年代に米国を横断して旅するという物語の設定から、スタジオ・ライヴ的に制作されたサウンドもあの時代を意識したものになっている。

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