祝! タワレコ日本上陸25周年! というわけでタワレコゆかりのアーティストたちによって各地で熱いイベントも開催中(12月3日には日本武道館にて豪華アーティスト出演による〈TOWER AWARDS〉も開催。詳しくはオフィシャルサイトまで!)ですが、bounce.comではこの機会に、25年前から現在の音楽シーンを駆け足で振り返りたいと思います。そこで……アメリカとは切っても切れない関係ということで、全米を代表するビルボード・チャート年間No.1ゲッターを25年分総集結(今回は後編。前編はコチラ)! さらに国内外のニューストピックで各年代をちょこっとプレイバック! またコラム・コーナーでは、タワレコの前CEOで重度の音楽愛好家でもあるキース・カフーン氏が1979年生まれの名盤をご紹介します。
ビルボード年間1位ゲッター総覧!(1992年~2003年)
■1992年
GARTH BROOKS『Ropin' The Wind』
アリーナ・ロックのドラマツルギーとホンキー・トンクの音色を流し込んだカントリー界の革新家、ガース・ブルックス。カントリー・ミュージック支持層が押し上げた大ヒット作という向きもありますが、その売上枚数が約1300万枚というのだから驚きです。日本のポップス・ファンとしては少々戸惑いつつも、USカントリー・ミュージックの世界は奥が深い。*原田
1992年の主なトピック
※日本人初の宇宙士毛利衛宇宙へ
※バルセロナ五輪で日本メダル22個
※『ダイアナ妃の真実』出版
※尾崎豊 死去
※「風船おじさん」が琵琶湖畔から大空へ旅立った。
■1993
SOUNDTRACK『The Bodyguard』
明石家さんまにまで「ケヴィン・コスナーの髪型になりたい(この場合は「Field Of Dreams」)」といわしめたほどのケヴィン・コスナー旋風。彼の最盛期のヒット映画「The Bodyguard」にて主役を張ったのは、ホイットニー・ヒューストン、というよりはおなじみの絶唱ソング“I Will Always Love You”。この映画、楽曲を軸に脚本、映画が組み立てられたという〈歌ありき、ホイットニーありきの作品〉だったそうで。歌姫シシー・ヒューストンの娘として育った才女=ホイットニーが、劇中でゴスペルを披露するシーンは圧巻。*原田
1993年の主なトピック
※細川連立内閣発足
※皇太子御結婚
※サッカーJリーグ開幕
※ワールドカップのアジア最終予選、ドーハの悲劇
※筒井康隆が断筆宣言
■1994
ACE OF BASE『The Sign』
〈アバの再来!?〉とも騒がれた、スウェーデンの男女混合バンド。アバの“Dancing Queen”が、ドラァグ・クイーンにとってのアンセムであったように、彼女たちのレゲエ・ダンス・ポップもちょっぴりキッチュな魅力がありました。話はずれますが、90年代は日本でもスウェーデン・ポップのアーティストが次々とスポットライトを浴びた時期。トーレ・ヨハンセン周辺人脈では、カーディガンズ、クラウド・ベリー・ジャムなどなど。日本でいうとカジヒデキ、BONNIE PINKなどがその影響を昇華してグッド・メロディーを奏でてますね。*原田
1994年の主なトピック
※大江健三郎にノーベル文学賞
※松本サリン事件
※向井千秋さん宇宙へ
※ビートたけしがバイク事故で重傷に
■1995
HOOTIE&THE BLOWFISH『Cracked Rear View』
日本ではほとんど話題にのぼることがなかった、4人組アメリカン・ロック・バンド。黒人ヴォーカルを中心にした編成で、サウス・キャロライナの大学にて結成。未聴の方は@TOWER.JPにて是非試聴していただきたいのですが、フォーク、リズム&ブルース(現代的R&Bではなくて)のテイストが折衷された作風は、ブルース・スプリングスティーン好きでもいけるかも。*原田
1995年の主なトピック
※阪神大震災
※野茂英雄、大リーグで新人王
※地下鉄サリン事件
※松本人志の著書「遺書」、「松本」が大ヒット
■1996
ALANIS MORISETTE『Jagged Little Pill』
90年代を代表する女性シンガー・ソング・ライターの大ヒット作。リリースはマドンナが(当時)運営に参加していた、マーヴェリックより。幼少からエンタメの世界で育ち、過剰なプレッシャーから精神不安定になり、自立を決意しシンガー・ソング・ライターとしてデビュー。そしていきなりの全世界3000万枚にわたる大ヒット。赤裸裸に自身をさらけ出した彼女のソング・スタイルはその後、多くのアーティストに影響を与えました。アヴリル・ラヴィーンもその一人とか。*原田
1996年の主なトピック
※ペルー日本大使公邸人質事件
※アトランタ・オリンピック
※英皇太子夫妻離婚
※森且行がSMAPを脱退
■1997
SPICE GIRLS『Spice』
UKのダンスポップ女子五楽坊。それぞれの愛称は〈POSH=高級〉、〈BABY=可愛い〉、〈SCARY=怖い〉、〈SPORTY〉、〈GINGER=元気〉……キャラクターをセルフ・プロデュースした彼女たちは映画出演までを果たし、マドンナ以降の〈自己主張するアイドル・ポップ・アクト〉の総括をしてみせました。世界30カ国以上でチャート・トップを記録した“Wanna Be”は、モーニング娘。やブリトニーほか次世代アイドルにとってのモデルとなった金字塔的ポップス!? *原田
1997年の主なトピック
※香港、中国に返還
※神戸で小学生殺傷〈酒鬼薔薇〉事件
※ダイアナ元英皇太子妃、パリで交通事故死
※「新世紀エヴァンゲリオン」がヒット
■1998年
SOUNDTRACK 『Titanic』
世界中の映画館で行列を生み、「これを見て泣かない人は人間じゃない」とまで言われた90年代を代表する恋愛映画、「タイタニック」。日本の興行収入260億円という怪物的な数字はそのままディカプリオに熱狂した人の数と比例していたはず。もちろん本作もその余波の一つと言えるでしょう。セリーヌ・ディオンが歌う壮大なテーマ曲“タイタニック・愛のテーマ”が収録されていたとはいえ、ほぼインストの純粋な映画サントラがここまでヒットしたのは凄いことです。*ヤング
1998年の主なトピック
※ 長野冬季オリンピック開催
※ 和歌山毒入りカレー事件
※ 黒沢明監督死去
※ タイタニック公開
■1999年
BACKSTREET BOYS『Millennium』
米のオットコ前コーラス・グループ。彼らにの3作目にして代表作とされている本作は、〈かっこいい男の子集団〉という記号としてのアイドルを脱した記念碑的作品。叩き上げの粘り強さとミレニアム景気を味方につけて3,000万枚の特大ヒットを記録。ここ日本でも100万枚以上を売り上げ、数多くの女子をメロメロ(って言い方古いな)にさせたのは言うまでもないこと。*ヤング
1999年の主なトピック
※ ジャイアント馬場が死去
※ 東芝ビデオ修理をめぐるホームページにアクセス殺到
※ 台湾で大地震 死者2000人以上
※ 人気アイドル、SPEEDが人気絶頂の中解散を発表
※ 五色のiMac発表
※ 宇多田ヒカル『First Love』発売
■2000年
N SYNC 『No Strings Attached』
ネプチューンズ参加のセルフ・プロデュース作『Justified』をリリースしたことにより、巷のR&B好きたちを振り向かせたイン・シンクの中心メンバー、ジャスティン・ティンバーレイク。その布石ともとれる本作にはマックス・マーティン、レフト・アイ、テディ・ライリーらが参加し、クールにしてゴージャスな楽曲を聴かせてくれています。「えーと、ン・シンク?」なんてグループ名の読みかたすら知らなかった人たちも一度聴くと納得するはず。*ヤング
2000年の主なトピック
※ 成田きんさん107歳で死去
※ スペースシャトル・エンデバー打ち上げで毛利さん、再び宇宙へ
※ マクドナルドが平日半額バーガーを販売開始
※ プレイステーション2発売
※ 皇太后さま、97歳で逝去
※ インターネット博覧会(通称インパク)がスタート
■2001年
THE BEATLES 『1』
ビートルズのNo.1ヒットをズラーっと並べた企画盤がこちら。初期のアイドル時代から、後期のディープな偏執的楽曲まで全27曲を収録。彼らの変遷を順に辿るためのガイドとしての機能はもちろん、ライトなファンにとっての入門アルバムとしても重宝する作品です。03年には、フィル・スペクターによるアレンジを削ぎ落とした『Let It Be...Naked』が発売されましたが、こちらも話題を集めました。*ヤング
2001年の主なトピック
※ 小泉内閣発足
※ 米中枢同時テロが発生
※ 大阪・池田小児童殺傷事件。8人が死亡
※ イチロー、米大リーグで大活躍
※ ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)が開業
※ 東京ディズニーシーが開業
■2002年
EMINEM 『The Eminem Show』
先頃発売された新作『Encore』でも、その手のつけようもないほどの〈やんちゃっぷり〉が健在であることを見せ付けてくれたエミネム。本作でもモービー、イン・シンクのクリス、リンプ・ビズキットのフレッド……と、あらゆるアーティストをディスりまくり。もちろん、作品の本質は過激なリリックではなく、あくまでも型破りなフロウと作りこまれたトラックの組み合わせの妙であることは言うまでもないことでしょう。*ヤング
2002年の主なトピック
※ 日本マクドナルド、平日半額販売打ち切りを発表
※ 「千と千尋の神隠し」がベルリン国際映画賞の最高賞受賞
※ マイクロソフト、家庭用ゲーム機「Xbox」を日本で発売
※ 拉致被害者5人、北朝鮮より帰国
※ 日韓共催サッカーW杯開催
■2003年
50 CENT『Get Rich Or Die Tryin'』
上のエミネムに見出された〈弾丸を9発打ち込まれたドラッグ・ディーラー〉という過去を持つ男、50cent。その話を聞くだけでもうおなか一杯な感もあるのですが、溜めるようにゆっくりと繰り出される彼のラップと、ビヨンセやメアリーJブライジらが惚れこんだトラック・メイクはまさしく天下一品。今後もエミネム周辺は要注目ですよ。*ヤング
2003年の主なトピック
※ アザラシの〈タマちゃん〉が人気に
※ イスラエルで連続自爆テロ
※ 松井秀喜外野手、米大リーグで活躍
※ 宇多田ヒカルのネットライブに100万人以上がアクセス
※ 六本木ヒルズがオープン