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第36回 ─ スペシャル・エディション

第36回 ─ スペシャル・エディション(2)

連載
Discographic  
公開
2004/11/04   12:00
更新
2004/11/04   16:40
ソース
『bounce』 259号(2004/10/25)
テキスト
文/bounce編集部

DONNA SUMMER
『Bad Girls(Deluxe Edition)』
Mercury/ユニバーサル(1979)

  70年代のディスコ・クイーン、ドナ・サマーが79年に発表したディスコ超大作(オリジナルLPは2枚組)。プロデュースはジョルジオ・モロダーとピート・ベロッテ。ユーロビートの先駆けのような“Hot Stuff”を筆頭に、表題曲の“Bad Girls”や“Dim All The Lights”といったアッパーなダンス・チューンが数曲のバラードを伴いながら連発される。

ドナの〈デラックス版〉は、いわゆる未発表テイクはなく、どちらかといえばレア度を追求した作り。Disc-1にはリマスターされたオリジナル本編と、ドナ本人がプロデュースした“Bad Girls”のソウルフルなデモ・ヴァージョンを収録。一方、〈12" Singles & More〉と題されたDisc-2は、“Last Dance”や17分を超える一大組曲“Mac Arthur Park Suite”など70年代にリリースされた12インチ・シングル(DJ用のプロモ盤含む)を中心に構成され、高音質でまとめて聴けるのが嬉しい。80年発表のサントラ『Foxes』から“On The Radio”の長尺版も収録された。(林)

DIANA ROSS
『Diana(Deluxe Edition)』
Motown/ユニバーサル(1980)

  80年、当時絶頂にあったシックのバーナード・エドワーズとナイル・ロジャースがプロデュースしたダイアナ・ロスの代表作。小気味よいギター・カッティングがリズムをキープする“Upside Down”“I'm Coming Out”など100%シック印のダンス・チューンを中心に、陽気なディスコ・モードで乗り切った快作だ。晴々としたダイアナの歌もいい。

この〈デラックス版〉の目玉は、以前からその存在が伝えられていた、アルバムのシック公認ミックス〈Original Unreleased Chic Mix〉。公式リリースされたのは、実はダイアナらしさを意識してスッキリと整理されたシック非公認のミックス(@LA)のほうだったのだ。一方、オリジナルとされるミックス(@NY)は楽器やヴォーカルなど音の粒立ちが鮮やかで、よりシックらしいタイトな仕上がり(楽曲の尺も総じて長い)。〈Dance〉と題されたDisc-2には70年代後半のダンス・チューンの12インチなどが収録され、同時期のお蔵入り曲も初披露された。(林)

RICK JAMES
『Street Songs(Deluxe Edition)』
Motown/ユニバーサル(1981)

  先日惜しくも他界した故リック・ジェイムズ最大のヒット作(81年発表)。“Give It To Me Baby”“Super Freak”といったストリート・ファンクを中心に、ティーナ・マリーとデュエットしたバラード“Fire And Desire”など珠玉の名曲が並ぶ。バック演奏はリックお抱えのストーン・シティ・バンド。テンプテーションズの面々もコーラスで参加した。

リックの〈デラックス版〉は、スタジオ録音の未発表テイクは含まれていない。オリジナル本編を収録したDisc-1には“Give It To Me Baby”と“Super Freak”のそれぞれ12インチ(A、B面)を収録。一方、Disc-2はまるごとライヴ盤となっており、こちらは初公開のもの。81年7月にカリフォルニアのロングビーチで行われた白熱のライヴで、ストーン・シティ・バンドらレコーディング・メンバーたちとデビュー以降のヒット曲をカッ飛ばす。当時恋仲にあったティーナ・マリーも参加し、ソロ曲“Square Biz”も披露。実はリック初の公式ライヴ盤でもある。(林)

LIONEL RICHIE
『Can't Slow Down(Deluxe Edition)』
Motown/ユニバーサル(1983)

  コモドアーズからソロとして再出発したライオネル・リッチーのセカンド(83年発表)。ポップ/R&Bの両チャートで首位となったミディアム・ダンス・チューン“All Night Long(All Night)”や同じく大ヒットしたバラード“Hello”を含み、持ち前のテンダー・ヴォイスでスムースな歌を聴かせる。制作は本人とジェイムズ・アンソニー・カーマイケル。

アルバム・リリース20周年を記念して発表されたリッチーの名作〈デラックス版〉は、既発のシングル(7インチ/12インチ・ミックス)の一部に加え、初公開となる本編収録曲のデモや別テイク(Disc-2)で構成。もちろん貴重なのはDisc-2のほうで、デモ以前の仕上がりながらグレッグ・フィリンゲインズと作った“Ain't No Sayin' No”やデヴィッド・フォスターとの共作曲“Tell Me”など、未完成に終わった結構ファンクな曲が聴けるのが嬉しい。インストのジャム・セッションやスタジオでのやりとりも少し収録。制作段階の試行錯誤が窺えるのが興味深い。(林)

ERIC B. & RAKIM
『Paid In Full(Deluxe Edition)』
4th & Broadway/Island(1987)

  DJ/トラックメイカーのエリックBとMCのラキムからなる2人組のラップ・チームによる87年のデビュー作。ヒップホップ史上に残る名作として高い評価を得ている本作は、ボビー・バード曲を使った“I Know You Got Soul”など、ソウル/ファンク曲の大ネタ使いを基本に組み立てられたトラックとラキムの中毒性のあるラップが聴き手の耳を奪う。

ヒップホップ関連ではいち早く豪華盤が登場していた作品で、〈The Platinum Edition〉として98年にリリースされていたものが5年後にリニューアルされた(内容はほぼ同じ)。アルバム本編を収めたCDに加え、もう一枚のCDには本編曲のリミックス~ダブなどを収録。半分はUKでリリースされたDJリミックスの12インチで、コールドカットやリッシ・リッチらによる切れ味鋭い技に心地良く飛ばされる。一方、USリミックスはパトリック・アダムズらの仕事を収録。特にマーリー・マールとMCシャンが乗っ取った“Eric B. Is President”がカッコいい。(林)

PAVEMENT
『Slanted & Enchanted(Deluxe Edition)』
Matador/Pヴァイン(1992)

  グランジが終息しはじめたUSをブチ抜いた、ローファイ・シーンの立役者による92年発表のデビュー・アルバム。どこかしらポップなんだがどこかしらがヘン、というか変態そのもののヘロヘロかつアヴァンギャルドなノイズ・サウンドは、聴き終えた瞬間に得もいわれぬ虚脱感と麻薬的な中毒症状に苛まれること請け合いな奇跡的芸術作品。

アルバム・リリース10周年に際して発表されたリイシュー盤には、〈ボーナス・トラック〉という概念からも逸脱したヤンチャな未収録曲をギュウギュウに詰め込んだ2枚組仕様! ニワトリのジャケでお馴染みの“Watery, Domestic”の全曲やB面曲、貴重なアウトテイクにライヴ・セッションを網羅した全34曲という豪華な内容。特にスタジオ・ヴァージョンの数倍ダウナーでカオティックなライヴ・ヴァージョンの数々は、いつ聴いても鳥肌モノ!! さらにはセカンド『Crooked Rain』のデラックス化も控えており、嬉しい悪夢はまだまだ続くのである。(加賀)

SONIC YOUTH
『Dirty(Deluxe Edition)』
Geffen/ユニバーサル(1992)

  92年発表のメジャー2作目で、前作『Goo』と共に時代の潮流(グランジ)と見事にシンクロした傑作。楽曲はインディー期に比べると輪郭がかなり明確になり、いわゆる〈ロック的〉ダイナミズムが倍増。彼らの破壊嗜好とポップ趣味が絶妙なバランスで均衡している、という意味でも入門編には最適? 個人的にも浴びるほど聴きまくったブツです。

アリス・クーパー“Is It My Body”のカヴァーを含めたシングルのB面やカップリング・ナンバーを8曲、さらに貴重なリハーサル・テイクを12曲も追加した特盛2枚組。とにかく、曲名も仮題でヴォーカルも入っていない初期ヴァージョン大量投下のリハ・テイクにゃ失禁必至! 手探り状態のプリミティヴで生々しい音像に、彼らの本質が凝縮されている。ブッチ・ヴィグをプロデューサーに、アンディ・ウォレスをミキサーに迎えて(つまり、ニルヴァーナ『Nevermind』コンビですな)、緻密に構築された最終テイクと聴き比べるとかなりおもしろい。(北爪)

JEFF BUCKLEY
『Grace(Legacy Edition)』
Columbia/ソニー(1994)

  ティム・バックリーを父に持つ、孤高のシンガー・ソングライターが94年に発表した唯一のオリジナル・アルバム。力強く、そして儚い楽曲と神懸り的な美声には目眩すら覚える。昨今のシンガー・ソングライターはもとより、レディオヘッドやコールドプレイにまで彼の存在が影を落としている。ティム同様に若くしてこの世を去ったジェフの、まさに一瞬の奇跡。

ボーナス・ディスクはアルバム未収録曲やライヴ・トラックで構成されている。アルバム・デビューまでの下積み期間が長かった彼だけに、ハンク・ウィリアムスやMC5のカヴァーを含むライヴ・パフォーマンスの出来がとにかく素晴らしい。そしてさらに特筆すべきは、インタヴューとライヴ映像が収められたドキュメンタリー仕立てのボーナスDVD。奇跡としか形容できない“Hallelujah”の美しき歌声と、〈とにかくシンガーになりたかったんだ〉と言ってはにかむ天使のような笑顔にただただ涙。まさに〈レガシー(遺産)〉の名に恥じない内容。(加賀)

WEEZER
『Weezer(Deluxe Edition)』
Geffen/ユニバーサル(1994)

  現代パワー・ポップの礎となったウィーザーによる〈青き記念碑〉。轟音と疾走感、そしてリヴァース・クオモの天才的なメロディーセンスと煮え切らない歌詞、すべてが後続のバンドはおろか世のヤングを総決起させることに。名曲“No One Elese”“Buddy Holly”を含む、アタマからシッポまで嬉し泣きのアンコがタップリ詰まった捨て曲ナシの大名盤!!

〈ウィーザーはB面でも名曲の嵐〉を証明する、リリース10周年記念盤。Disc-2には名曲“Susanne”などのアルバム未収録曲や、メロディーの純度が尋常じゃないくらいに増したアコースティック・ライヴや貴重なデモ・トラックなど、いまでは入手困難なレア曲がザックザク! さらにはアルバム収録曲に匹敵する“Jamie”のおかげで、すでにオリジナル・アルバムを持っていても買ってしまう人が多いことでしょう。リヴァースの底なし沼的才能がギュウギュウに詰まった、参考書を買わないでも手に入れるべき重要文化財。(加賀)

JIMMY EAT WORLD
『Bleed American(Deluxe Edition)』
Dreamworks/Interscope/ユニバーサル(2001)

  エモの可能性を一気に押し広げ、名実共にシーンを代表する存在となったジミー・イート・ワールド。彼らの評価を決定的なものにしたのが大ヒット・シングル“Sweetness”などを収録したこの2001年作である。キャッチーで最高に泣ける奇跡のような楽曲に彩られた本作は、インディーというハンデを抱えながらも全世界で220万枚のセールスを記録した。

そしてその〈デラックス・エディション〉は、なんと日本限定でリリースなのです! 気になるボーナスCDの内容なんですが……ライヴ/ラジオ・セッションを含むライヴ音源が4曲、ワム!“Last Christmas”(意外!)やプロディジー“Firestarter”(ハマリすぎ!!)のカヴァー、エンハンストのライヴ映像とプロモ・クリップ、というファンなら神棚にでも供えたくなるような超強力な楽曲群で固められております。リリースされたばかりのニュー・アルバム『Futures』もこれまた傑作なので、併せてゲットしておきましょう。(冨田)

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