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『Degustation a Jazz』は株券ではない~小西康陽、北尾修一、野田努、HALCALIによる、菊地成孔のアルバム・レビュー&売上予想

連載
CDは 株券 ではない ― 菊地成孔の今月のCDレビュー&売上予想
公開
2004/04/28   15:00
更新
2004/04/28   20:08
テキスト
文/小西 康陽、北尾 修一、野田 努、HALCALI

菊地成孔初のジャズ・リーダー・アルバム『Degustation a Jazz』発売記念特別企画! 菊地氏とゆかりのある音楽界・出版界の著名人たちが、『Degustation a Jazz』を聴き、徹底レビュー。そして、その売上枚数を予想します。

小西康陽

●菊地くんのソロ、聴きました。●41トラック、というだけで最高、ヤラレた! と思いました。●1曲め、カヒミ・カリィさんのナレーションでアルバムがスタートする、というのがいいですね。絵に描いた餅、というか、こういう紋切型な表現が素晴らしいですね。ポップアート、という感じがします。アルバム・タイトルも同様に。●手放しでホメてばかりいてはエンタテインメントと言えないので、少しケナします。●歌モノは全て成功しているとは言い難く。中でいちばんマシだったはUAの歌ったトラックで、彼女の「笠置シズ子性」をズバリ見抜いた批評性に脱帽しつつも、何かヌケが悪いような。●ヌケの悪さ、というのは全体の音像にも言えることで、良くも悪くもフラットな感じ。ぼくは大抵の音楽をコントラストのはっきりした感じに仕上げるようにしているので。ジャケット・デザインもハーフトーンが多いし、これは意図的なモノなのでしょう。●ジャケットについてもう少し言及するなら、表1(編注:表ジャケット)の写真、「タバコを吸うジャズマン」は先にも言った「絵に描いた餅」感バッチリですが、僕は表4(編注:裏ジャケット)のポートレイトが好きですね。●カヴァー曲の中ではやはり“ザ・クリスマス・ソング”が秀逸。菊地くんはすごくセンスのいい耳をしていると思いました。●このレコードを外人の友ダチに説明するなら「ライブラリーっぽい。ジャズ系」って感じでしょうか。いろいろムズカシく言うのが面倒臭いので。とはいえマルシアル・ソラルでもモリス・ヴァンデルでもない日本のジャズ。とりわけ前半のいくつかの短い曲で聴ける暗いトーンは、八木正生や武満徹が映画に付けたスコアを連想しました。血は立ったまま眠っている。という感じ。●カヒミ・カリィさんなど有名人ゲストを入れたのはマーケティング的にはすごくいいアイデアだと思います。『マーキー』の記事とか取り易いし。●というふうにいろいろ言いたいことを言いましたが、とにかく最近これほどじっくり聴き込んでしまった作品もありませんでした。オレもこんなCD作りたいなー。でもオレは歌わないけどね。●菊地くんのサックスの音色サイコー。MCもサイコー。●予想枚数は書店とかでも売れると思うので、9,000枚。でも希望枚数は世界で50,000枚。ひとつ。

小西康陽(こにし やすはる)

  DJ/プロデューサー。これまで女性歌手に提供した楽曲をあつめたアンソロジー『きみになりたい。』を3月31日にリリース。観月ありさ、中谷美紀、深田恭子、松本伊代ほか、百花繚乱、豪華な顔ぶれが話題に。4月28日には、ソニー在籍時代のピチカート・ファイヴ・ベスト盤も発売された。現在は、7月発売予定の野本かりあのアルバムを制作中。
※bounceのインタビューもお見逃しなく!

北尾修一

すごいメンツに混ざってすごいアルバムに関してすごい行為(売上予想)をしなくちゃいけないので緊張しています。面白いことは書けません、本気で正解を狙いにいきます。まず菊地さんに原稿「菊地成孔の選ぶ100冊」を書いていただいた『CV』創刊準備号の実売部数Xに、マイルス・デイヴィス『ネフェルティティ』の日本での総実売部数Yをかけて、著作『スペインの宇宙食』の実売部数もかけて、今回のアルバム曲数41を引いて、今回のアルバムで僕の好きな一番好きな曲は8曲目なので電卓の√ボタンを8回押してみると、出ました。6,500枚と。ずばり間違いないでしょう。

北尾修一(きたお しゅういち)


  1968年京都生。『CV』編集発行人。現在、花村萬月・著『駄日記』編集中。コズフィッシュ祖父江慎さんの爆裂デザインで5月25日リリース予定。買え。ウソ。買ってください。

野田努

思春期に80年代を通過した僕たちは、ジャズに限らずだが、相対性のメリーゴーランドを、つまりモダンに息づく演奏という絶対性から自由になったその瞬間をあまりにも楽しみすぎた。あの日から、いまのテクノにも見るように、楽器が弾けなくてもジャズになりうるのだ。で、これは、相対性が織りなす華麗なポップ・ライフにさえ余裕で片足を突っ込むジャズメンによる、世にも稀なジャズ・アルバム。洒落てはいるけど、彼の一連の作品のなかでは極めてエモーショナルなアルバムのようにも感じる。個人的には41曲目の“ラス・メイヤー~”が好きです。売り上げ予想は……、菊地さんといえばいまや知的好奇心旺盛な大学生にとってのカリスマのひとりだから、10,000枚

野田努(のだ つとむ)


  菊地さんと同じ1963年生まれ。近著に『ジャンク・ファンク・パンク』、『ロッカーズ・ノー・クラッカーズ』。近頃、音楽雑誌『remix』の工場長に就任。

HALCALI

HALCA(以下H)「大人の音だー」
YUCALI(以下Y)「かっこいいですよね。大人って感じで」
H「なんか夜? 夜って感じ」
Y「寝る前とかに聴くといいかもしれない。サックスって夜のイメージあるから」
H「ドライブとか。夜のドライブって感じがする。デートっぽい」
Y「大人のデートだね」
H「うん。大人。落ち着く」
Y「癒されたいときにもいいかも」
H「癒し系(笑)」
Y「いつも音楽聴いてると一緒に歌っちゃう。ウチらも参加したくなっちゃうんです」
H「ノリノリだからね」
Y「そう!ウチらノリノリ世代なんで」
H「あ、菊地さんにこのまえサックス習いました」
Y「楽しかったよね。すごい疲れたけど」
H「うん、楽しかった。思い出になった」
Y「一時間でサックスが吹けるようになれると思ってなかったから。菊地さん、教えるの上手ですよね」
H「次はドレミファソラシド~♪ってちゃんと続けて吹けるようになりたい」
Y「また教えて下さい」
H「よろしくお願いします!」
……HALCALIはノリノリ世代なので、予想枚数をいただけませんでした。

HALCALI(ハルカリ)

  HALCAとYUCALIの2人組高校生ユニット。03年9月にデビュー・アルバム『ハルカリベーコン』をリリース。プロモ・クリップ集+αを収めた初のDVD&CD『春狩デーヴィーデー(仮)』も絶賛発売中。6月9日には、ニュー・シングル“マーチングマーチ”をリリース予定。

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