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第45回 ─ トランス界の貴公子、YOJI BIOMEHANIKA様が自身のロック人生を振り返ってくれたよ!!

連載
360°
公開
2004/03/18   13:00
更新
2004/03/18   19:12
ソース
『bounce』 251号(2004/2/25)
テキスト
文/リョウ 原田

第一期──少年時代のYOJI様


「楽器マニアっていうより録音マニアに近いんかな? 高校生になる頃にエレキ・ギターを買って、プログレッシヴ・ロックのギタリストに影響を受けて、一所懸命コピーしましたね。ジェネシスなりキング・クリムゾン、ロバート・フリップのソロとか……。〈なんであんなにフィードバックが長いんやろ?〉とか〈フリッパートロニクスってなんや?〉とか思いながら(笑)。そもそもバンドを組むことには興味がなくって。プログレとか聴いていると多重録音が多いじゃないですか。それでラジカセ2台で多重録音に挑戦したりしてた。(録音していくうちに)音はどんどん悪くなっていくんだけれど、それはそれでカッコよく聴こえてね」。

▼少年時代のYOJI様に衝撃を与えたプログレッシヴ・ロックのアーティスト。

第二期──80's大阪ニューウェイヴの王子様→ラフィン・ノーズに参加!!

「高校一年のときに〈アンバランス〉っていう大阪のレーベルから1枚目のレコードを出したんですよ。オルガンとギターを多重録音して。AUSCHWITZっていう(大阪の)アンダーグラウンド集団の人(林直人)がこの間亡くなったんですけど、彼がやっていたレーベルでね。ニューウェイヴ、パンク、アヴァンギャルドが全部混ざってた。〈アンバランス〉からは現ラフィン・ノーズのチャーミーも〈YOU〉っていう名義で曲を出していて、それで友達になった。(YOJI様がベースとして参加した)ラフィンに関しては、曲も何曲か作りましたけれど、命は懸けていませんでした。こんなん言ったら怒られるかも知れんけど(笑)。チャーミーももともとはものすごいアヴァンギャルドなことをやっていた人でね、ソロでミュージック・コンクレートみたいなことをやってた。それがある種、いいカタチでコマーシャルになったのがパンクだったという」。

▼大阪アンダーグラウンド時代のYOJI様関連アーティストの作品。

第三期──突如クラブ設立、そしてDJ活動をスタートさせたYOJI様

「ヨーロッパにはアートなり音楽なりがゴチャゴチャしている土壌がずっとあって。それは現在言うようなクラブ的な場所ではなくって、サロン。ある日はパフォーマンス、ある日は展覧会、ある日はプログレなのにダンス・ミュージックみたいなパーティーをやっている……ここからニューロマンティックとか出てきたわけじゃないですか。そんな場が日本にもほしいな、と思って〈CLUB GHOST〉っていうクラブを作ったんですよ、兵庫県の山の上に。ちょこっと借金をしてね(笑)。DJをはじめたのはその頃。89年ごろ。完全に秘密クラブですね。(人は)全然来ないですよ、当時そんなことに興味もっているヤツなんていませんから。だから、それを嗅ぎ分けてくる嗅覚をもっているヤツっていうのは凄かった。山中透をはじめとするDUMB TYPEの連中が来て〈お前おもしろいなぁ〉って。閉めるときにはただの呑み屋になってましたけど(笑)」。

▼〈CLUB GHOST〉に集っていたという、演劇や美術の専門家たちによって組織されている前衛的なパフォーマンス集団、DUMB TYPEの関連作品


2000年に行った公演を収めたDVD『dumbtype/memorandum』(ユーロスペース)


舞台「S/N」のサントラ『S/N』(DSA)

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