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第44回 ─ 世界最強のリズム・セクション、スライ・アンド・ロビーに緊急フォーカス!!

第44回 ─ 世界最強のリズム・セクション、スライ・アンド・ロビーに緊急フォーカス!!(2)

連載
360°
公開
2004/03/18   14:00
更新
2004/03/18   15:18
ソース
『bounce』 251号(2004/2/25)
テキスト
文/大石 始、鈴木 智彦

こんな人とも共演しました

 ローリング・ストーンズ~ミック・ジャガー、ボブ・ディラン、マドンナ、ノー・ダウト、イアン・デューリー、マヌ・ディバンゴ、シンディ・ローパー、ジョー・コッカー、フージーズ、スティング、KRS・ワン、カーリー・サイモン、シンプリー・レッド、そしてDJ KRUSH、吉田美奈子、渡辺香津美、井手麻理子、Miss Monday、上田正樹……すべてスラロビがプロデュース/演奏参加/リミックスなどで関与したことのあるアーティストだ。もちろんこれがすべてではなく、細かく挙げていけば本人たちも覚えていないような仕事だってあるはず。新たな道を開拓するため、または最高にタイトなビートが必要なため、理由はそれぞれに違えども、膨大な、同時にあまりにも幅広いアーティストから求められ続けてきた存在、それがスラロビなのだ。(大石)
▼スラロビ参加作品の一部

ハウスの原型作りにも携わっていたんですよ

 80年代初頭のスラロビは、NYのクラブ〈Paradise Garage〉の伝説的DJであるラリー・レヴァン(彼がダブという手法を〈発見〉するのはスラロビとの出会いがきっかけだった)や、いまだダンスホール・レゲエの最前線で活躍するプロデューサーのスティーヴン・スタンレーらによるプログレッシヴなディスコ・ダブの制作(発明?)にも関与する。その多くがバハマのコンパス・ポイント・スタジオを舞台に制作され、同時にその多くはガラージ・クラシックスとして80年代のNYの夜を妖しく光輝かせることとなった。ここでのスラロビは70年代後半のミリタント・ビートを封印し、プロデューサー的な役割を果たしながらエクレクティックなビート制作に没頭。そのタイトなビートはその後〈クラブ・ミュージック〉と呼ばれるものすべてになんらかの影響を与えたものである。スラロビとラリーらによるスピリチュアルな名盤『Padlock : Special Mixes By Larry Levan』やグレイス・ジョーンズ、グウェン・ガスリーの諸作などでご体験を。(大石)
▼スラロビのコンパス・ポイント仕事の一部

スラロビのもうひとつの顔として挙げられるのは、昨年リリースされたミックスCD『Late Night Tales』(Azuli)でも確認することができるDJ(というかセレクター)としての顔。同作ではカーティス・メイフィールドからレア・アース、アル・グリーン、そしてMFSB“Love Is The Message”などをセレクトしており、彼らのルーツの一断面を覗くことができる内容だ。(大石)