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第11回 ─ 〈MOK Radio〉管理人が語る、ネットラジオの作り方(前編)

連載
デジタルミュージックガイド
公開
2004/02/05   14:00
更新
2004/02/05   18:15
テキスト
文/津田 大介

個人サイトの延長線上にあるコミュニティー・ツールとして、ネットラジオがにわかに活気付いている。音楽系はもちろん、中にはトークのみで勝負(!?)しているものも少なくない。個人音楽サイトの管理人3人によって運営されているMOKRadio(モックラジオ)もそんなインディペンデント・ネットラジオのうちのひとつ。そのMOK Radioができるまでの経緯をパーソナリティーの立場から語ってもらいました。

〈MOK Radio〉ができるまで

 bounce.com読者の皆さん、こんにちは。MOK Radio(モックラジオ)というインターネットラジオ番組をやっている津田と申します。本業はライター(趣味と実益を兼ねて音楽配信メモというサイトを運営しています)で、bounce.comにもCCCDやら音楽配信やらの記事をちょこちょこ書かせてもらっています。今回bounce.com編集部から、僕が個人的な楽しみでやっているMOK Radioについて書いて欲しいという依頼が来まして、こうして筆を取った次第です。

 MOK Radioは僕と音楽系個人ニュースサイトの大手「ミュージックマシーン」の管理人タクヤさん、音楽系テキストサイト「denkibiribiri」の管理人実験4号さんの3人がパーソナリティーとなって運営しているネットラジオです。音楽系のサイト管理人が集まっていることもあり、内容的には音楽をかけつつ、音楽周辺の話題で真面目な話をしたり、下ネタなどのくだらないトークに花を咲かせる……そんな感じのラジオ番組をだらだらと放送しています。

 なぜネットラジオをやってみようかと思ったのか? これは元々僕が音楽配信とかネットラジオに興味があって、海外のネットラジオや日本人がやっているネットラジオを聴いていたというのが一番大きな理由ですね。音楽系のネットラジオは、ただひたすら音楽を垂れ流すタイプのものと、FMやAMのラジオ番組のようにパーソナリティーがトークをしつつ、合間に音楽をかけるというタイプの2種類に分けられます。リスナーとしていろいろ聴いているうちに、後者の方が断然おもしろく感じるようになり、トーク系ラジオを自分でもやってみたいなぁ……と思うようになりました。ただ、あんまり僕はラジオのような〈独り語り〉が得意ではないので、トークの得意なタクヤさんと実験4号さんに声をかけたという感じです。

 さて、MOK Radioですが、最初はもうホントに〈ラジオごっこ〉でしたね(まぁ今でもラジオごっこの域は出ていませんが……)。何せ打ち合わせも一切しないで、すべてぶっつけ本番でしたから。とにかく最初は自分たちがマイクに向かって馬鹿話をしているのが、全世界に配信されているという事実が楽しくて楽しくて……。思いつきだけでくだらないトークをして、曲をかける……それでも十分楽しかったんです。でも、そんないい加減なやり方ではすぐに限界が来ました。ゲストを呼んでトークしていたときはまだ良かったのですが、ゲストがいない回、パーソナリティーだけでトークしたら、話はつまらないわ、構成はグダグダだわで後で聞き返して非常に辛い結果に。これはヤバい! と思い、みんなできちんと構成を考え、放送時間も短くして普通のラジオ番組のように〈レギュラーコーナー〉を作ったりしました。そうしてからは、そこそこ放送的にも安定するようになったと思います。

 MOK Radioはありがたいことに毎回多くの人(毎回平均して100~130人前後)に聴いて頂いてます。リスナーの反応という意味では、専用のチャットやBBSを設けていて、リスナーは放送中にダイレクトにそこにメッセージを寄せることができるのですが、どこまで放送と連動させればいいのか、さじ加減が難しいですね。最初の頃は割とBBSやチャットの内容を積極的に拾っていたので、リスナーも番組への〈参加意識〉があったと思うのですが、最近は番組の構成がかっちりと決まってしまったせいか、僕らが掲示板やチャットの書き込みを拾えなくなり、書き込みも少なくなってしまいました。僕はチャットやBBSと放送がリアルタイムに連動する部分がまさにネットラジオの醍醐味だと思っているので、できればフォローしていきたいのですが、それに気を取られると今度は番組としての構成がグダグダになってしまう……そのあたりは痛し痒しですね。

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