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第11回 ─ ミッシェルのラスト・ライヴを収録したDVDがリリース!

連載
NEW OPUSコラム
公開
2003/12/04   14:00
更新
2003/12/04   19:05
ソース
『bounce』 249号(2003/11/25)
テキスト
文/フミスキー・ヤマウチェンコ

熱狂のラスト・パフォーマンスを完全収録したDVD『BURNING MOTORS GO LAST HEAVEN』!!


  滂沱。これに尽きるわけですがその前に。松岡計井子という、ビートルズ(およびメンバーのソロ)楽曲の日本語カヴァーだけを昭和からずっと続けてる歌手がおります。そのダイレクトなモチベとサウンドはなかなかに感動的なのですが、彼女の手にかかると〈サ~ジェンペパロンリハーツクラバ~ン♪〉も〈心のこもった演奏会~♪〉になってしまうわけでして……でなにが言いたいかというと、ミッシェル・ガン・エレファントのラスト・ライヴは、俺のなかでまさにその松岡ヴァージョン〈サージェント・ペパーズ〉にぴったり合致してしまったってことです。歌詞を全部引用したいところですがそれだといらぬ著作権料が発生しそうなので以下自分の言葉で書きます。  

  ミッシェルの終わりのためだけに、ここ幕張メッセに集まった何万人だかという人の総量よりも、俺はあまりの天井の高さ(ならびに広さやら段差のなさ)によってもたらされるロック・コンサートにはありえないくらいの頭上の虚空に恐怖してました。でもミッシェルさんたちはその虚空を自分たちの歴史で満たしきっていました。一介のロックンロール・バンドがその終わりにこんなことできるなんて、滂沱以外のリアクションはありえませんぜまったく。ホントの意味で〈心のこもった演奏会〉でしたよまったく。詳しくはこの日のすべてをパッケージしたDVD『BURNING MOTORS GO LAST HEAVEN』を観るのがなによりも雄弁だと思うのですが、これ観て俺は、今後ミッシェルが時間の流れによって〈ダサい〉と断罪される瞬間は来ないだろうと確信しました。オディオス。