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第36回 ─ 〈貝がらラジオ〉緊急特番! ビートルズの噂の〈最新作〉を聴いてみた!!

第36回 ─ 〈貝がらラジオ〉緊急特番! ビートルズの噂の〈最新作〉を聴いてみた!!(2)

連載
360°
公開
2003/11/27   16:00
更新
2003/11/27   16:26
ソース
『bounce』 249号(2003/11/25)
テキスト
文/鈴木 惣一朗

『Let It Be』と〈Naked〉をもっと楽しむこの5枚!!

BILLY PRESTON『Live-European Tour』 ユニバーサル(1974)

  バラバラになったビートルズの4人の関係を繋ぎ止める役目として、ジョージが『Let It Be』のレコーディングに呼び寄せたキーボーディスト、ビリー・プレストン。彼が入ることでサウンドも厚くなり、黒人音楽っぽいグルーヴも加わって、バンドらしさも甦りました。ビリー自身もビートルズから得たものは大きかったみたいで、このライヴ盤では“Let It Be”や“Day Tripper”を演奏したりも。

BOB DYLAN 『Bootleg Series, Vol.1-3(Rare& Unreleased)』 Columbia(1991)

  『Let It Be』はビートルズのなかで、もっともスワンピーなアルバム。それはこのボブ・ディランや、デラニー&ボニー、ザ・バンドとの交流があったからこそなんです。ここに収録された“If Not For You”ではジョージとディランのセッションを聴くことができます。その影響が『Let It Be』にもあって、ディランに憧れたジョージ、ジョン、リンゴと、ディランにさほど興味がなかったポールとの温度差の違いも興味深いです。

IKE & TINA TURNER 『River Deep - Mountain High』 A&M(1968)


  『Let It Be』期のフィル・スペクターのプロデュース・ワークを堪能できるのがこのアルバム。スペクターとビートルズの親交は結構古くて、『Let It Be』をまとめるにあたってビートルズが唯一信頼できる才能として彼を選んだのも当然のなりゆきかもしれません。でもこの頃のスペクターのプロデュース・ワークはヤリ過ぎてノイズ状態だし、時代遅れ。それが『Let It Be』で賛否両論の結果を招くことに……。

LED ZEPPELIN 『Led Zeppelin』 Atlantic(1969)

  『Let It Be』のレコーディング・エンジニアを担当したのがグリン・ジョーンズ。ソリッドでドライに音を録る人で、レッド・ツエッペリンの本作も彼の手によるものです。本作にもあるザラザラとした質感と、〈Naked〉でよりキワだった剥き出しの音の感触は、とても近いものがあると思います。両方を聴き比べてみるのもおもしろいんじゃないでしょうか。

YOKO ONO 『Yoko Ono/Plastic Ono Band』 Rykodisc(1970)

  〈Naked〉には一音も収録されなかったヨーコ。でもレコーディング・セッションにはあの奇声で積極的に参加していたんです。〈ビートルズ第5のメンバー〉として参加した彼女がその〈場〉に与えた影響はとても大きくて、それが『Let It Be』のグズグズ感に大きく関わったといえるのではないでしょうか。本作はそんなヨーコの激しさが詰まった、シゴキのような一枚。