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第30回 ─ ツール・ド・フランス祝100周年!!ってなわけで、ゆきゆきてクラフトワーク

イマの音楽にこれだけ息づいているクラフトワークの遺電子たち

連載
360°
公開
2003/09/11   13:00
更新
2003/09/11   19:45
ソース
『bounce』 246号(2003/8/25)
テキスト
文/リョウ 原田、和久田 秋江

テイ・トウワ
『Last Century Modern』 ワーナー(1999)
自身の肖像にマネキンを使用したり、曲中で〈チャトラ〉なるスピーク・ロボット・プログラムを登場させたり、などなどクラフトワークへのロボット愛は盲目的。両者とも、一貫してクールでポップですね。(原田)

POLE
『Pole』 Mute/東芝EMI(2003)
独特の圧を帯びた空間処理で人気のポール。柔らかいヴェール越しにチリチリと突き出される棘のようなミニマル・ダブのフィールド。昔の、じゃなく現在のクラフトワークに通じる音像が興味深い。(和久田)

DUNGEON FAMILY
『Even In The Darkness』 Arista(2001)
ヘンテコな宇宙趣味の人も多い、アーシーなアトランタの火祭りにもヨーロッパ特急は乗り入れ可能だった。運転手多めで突っ走る“Trans D.F. Express”は舵取り不能だけどね。(和久田)

砂原良徳
『LOVEBEAT』 キューン(2001)
「電卓カタテニ、足シタリ、引イタリ、ソウサセテ作曲スル」。ミニマムでありながら壮大……これがクラフトワークの音響哲学だとしたら、まりん博士は『LOVEBEAT』でその〈引き算の美学〉を徹底的に実践してみせた。(原田)

WESTBAM
『Electro Pogo Jam 133.3』 platik(2003)
西のバンバータ、ウェストバム。米国では本家が“Planet Rock”をブレイクさせたが、ドイツでは彼がクラフトワークの大衆性を継承。その成果は〈May Day〉なるお祭り騒ぎを巻き起こすまでに!(原田)

SENOR COCONUT
『El Baile Aleman』 Emperor Norton(2000)
アトム・ハートの隠れた色気とポップ感が爆発した変名プロジェクト、セニョール・ココナッツ。ラテンでチャ・チャ・チャと“Tour De France”をカヴァーした笑撃アルバムでは、その真価を最大限に発揮!(原田)

PRIMAL SCREAM
『Evil Heat』 Columbia UK(2002)
『The Mix』の頃に一瞬シンクロしたと言えなくもないプライマル・スクリームは、この近作でモロな“Autobahn 66”を披露。ヒュッター先生は「それはぜひ聴いてみなければならないな」とコメント。義務かよ。(和久田)

DREXCIYA
『Harnessed The Storm』 Tresor(2002)
エレクトロ・クリエイターにはクラフトワークのリズム感覚に影響を受けた人が多いけど、故ドレクシアはそのメロディー・センスも継承。ポップじゃなくとも、音の持つ映像喚起力は同類項。(原田)