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第28回 ─ 新世代女性シンガー・ソングライターたち

第28回 ─ 新世代女性シンガー・ソングライターたち(2)

連載
360°
公開
2003/08/14   12:00
更新
2003/08/14   19:28
ソース
『bounce』 245号(2003/7/25)
テキスト
文/内田 暁男、立野 幸恵

ナオリュウ


 多様なジャンルに果敢に挑戦するナオリュウのファースト・アルバム『誕生』は、中條卓(THEATRE BROOK)プロデュース作。orange pekoeやbirdなどが脳裏を過ぎる歌唱に、障子久美(?)が飛び出したところで……あら? この方、すごいセンスしてらっしゃる!!と気づきました。ふくよかに聴かせるソウルフルなナンバーからちょっとザラついた趣のブルース、軽やかに弾みながら途端にやさぐれてみたり。とにかく堂々とした歌いっぷりが素晴らしいです。(立野)


ji ma ma


 京都を拠点に活動する2人組は、EGO-WRAPPIN'以降とでもいうべきムーディーな感触と京都発ポップらしい自由な実験精神を両立。山本精一がプロデュースを手掛けたデビュー・シングル“カケラ”に収録の3曲は、ジャズ風味だったり昭和歌謡風味だったりレゲエ風味だったりと多彩な表情を見せ、シンプルながら楽曲構築能力は完全に新人離れしている。中納良恵とタメを張りそうな那覇出身ヴォーカリスト、宮平照美の説得力も含め、俺的には大本命。(内田)

▼ji ma maの2人がフェイヴァリットとして挙げる作品を紹介。

eco


 ボサノヴァやジャズの風味をしっかり捉えたベース、ギター、ヴァイオリン、パーカッションなどの演奏に加え、自身によるピアノもすこぶるおおらかなecoのデビュー作『話のつづき』。多重感のある独特の声域(たとえるならACOのような)も耳馴染みが良く、“Holy garden”にみられるジャジーなインストは竹村ノブカズの初期作品を思わせずにはいられないほどピュアなグルーヴを持っている。日常のひとコマを綴った歌詞がまた流麗で、メロディーの良さを際立たせている。(立野)

トミエ


〈手紙〉は好き、〈電話〉はキライ、室生犀星を愛読している……というのもうなずける詞世界。このミニ・アルバム『よろこび』に収められた全6曲から醸し出される〈やぶれかぶれ〉感というか、傷痕を浮き彫りにするあたりからは椎名林檎をも彷彿とさせる。シンプルながら表情豊かなメロディーに、繕わないトミエのヴォーカルが自然に溶け合うと、どことなくニール・ヤング、といった趣も。ヴィジュアルを含め、実は本ページで一番目立ってはいまいか。(立野)

ナチュラル ハイ


 奥行きのあるプログラミングにピアノやヴァイオリンを絡ませたり、生バンドをバックにジャジーに転がっていったりしつつ、アジアンなオリエンタリズムが統一感をもたらしているミニ・アルバム『明日はめぐる』で鮮烈な印象を残す、唄&鍵盤二人組。クラシカルなピアノと独特のメロディーが中心のサウンドは大きなスケール感を窺わせます。古内東子譲りのしっとりかつソウルフルなヴォーカルを聴かせる白木裕子も良し。(内田)

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