ストリーミングの納得度
次に疑問なのは、ストリーミング配信は果たしてリスナーに受け入れられるのか、ということ。
ダウンロード配信のように、自分のPCにデータを貯めて、携帯プレイヤーに転送して聴くことはできないのである。「なあんだ。お金を払っても自分のものにならないのか」そういう不満を持つ人もいるに違いないのだ。でも、音楽を自分のものにしたいのであれば、〈Wonder Juke〉には必殺技がある。「このCDを購入」ボタンを押せばいいのだ。すると@TOWER.JPの商品画面へ直行し、音も使い勝手も優秀なメディアが手に入る。形あるメディア万歳!
ただ、そうは言っても、海外のサービスと比較すると、やっぱり隣の芝は青い、と思えないこともない。有名な定額聴き放題ストリーミング・サービスの〈Rhapsody〉は、月額9.95ドル。8月10日の米ドル換算レート118.59円で約1180円。これは〈Wonder Juke〉より300円高い。その代わり、用意されているタイトルは、アルバム2万5千枚分。1枚10曲入りとすれば25万曲。これはWonder Jukeが有料サービス開始時に予定している楽曲の25倍。しかも、1曲79セント、約94円也を払えば曲をダウンロードすることもできるのだ。
ただし〈Rhapsody〉は、基本的に日本国内からは使えないサービスである。そこを我慢しているリスナーに、どれだけ納得感あるサービスを展開できるか。あるいは、国内の他のサービスと、どのように差別化するのか。そこが成否の分かれ目だろう。たとえ楽曲数は少なくても、4ADやXL Recordingsのようなレーベルが揃っている今のセレクションは、なかなか渋いのではないか、と私は思っているのだが。