P 「そういう意味でもイマドキの機能的なデザインのロボットにはなんかそそられないんだよね。全編CGで作ったキャラクターとかロボットには惹かれないな。合理性とか整合性をまったく無視した、というか排除したところでの〈変形/合体〉の美学とかってあると思うんだよね。便利になってる世の中だからなんでもできちゃうんだけど、そこで失われるものっていうのもあって。〈マシンロボ〉なんか、車とか飛行機をなんとかロボットに変形させようっていう試行錯誤があって、チョー不格好なんだけど、そこがダサかっこいい。だいたい〈ヒト型〉にしなくてもいいわけで、でもそこにこだわりたいんだよね。それと、あの重量感。子供のころ、あれにヤラレてたところもあったなあ」
ロボ 「音楽にも同じようなことが言えませんか? ひとりで全部作れちゃうし、再現しようと思えばできるんだけど、あえてギター、ベース、ドラムスっていうメンバー構成は崩したくないとか」
P 「POLYSICSにはテクノ・ポップっていうルーツがあるわけだけど、ダンス・ミュージックっていう機能性を重視した方向に進んでいたら、〈ポップ〉の部分を切り離して〈テクノ〉になっていったんじゃないかと思うんだ。僕は、機能性重視の……と言っちゃうけど、4つ打ちのものとかやろうとは思わなかったんだ。POLYSICSは、モチーフとしてテクノ・ポップを使っているけど、すごく肉体労働だからね(笑)。打ち込んじゃえばいいところも叩いたり弾いたりしてるし。まあ、音楽では僕らみたいなものもOKだろうけど、ロボット界ではいま、機能性を無視したものって歓迎されにくいのかもね。ムダな汗をかく感じっていうのが大事なんだけど」
ロボ 「フムフム」
P 「そうそう、最近のロボット物やヒーロー物のTV主題歌もイケてない。〈始まったー!〉って感じしないもんなあ」
ロボ 「昔のやつはエモっぽかったですねえ。イントロ聴いただけで、鳥肌立ってましたから」
P 「……(回想)」
ロボ 「…………(深~い回想)……あっところで、すごく〈良いお話〉があると聞いて伺ったんですけど……」
P 「あっ、ゴメンゴメン。実は僕らPOLYSICSのプロモ・クリップに出演してほしいんだ。で、……(かくかくしかじか)……さっそく現場に案内するよ」
ということで撮影現場へ。おおーっ! 久しぶりの現場の匂い。こりゃあ、わくわくしてきたぞ~! ということで、我が輩の活躍ぶりはプロモ・クリップで!!
POLYSICSのミニ・アルバム『LO-BITS』(キューン)。“ドモアリガトミスターロボット”ほか、全編〈ロボ声〉をフィーチャーした遊びゴコロいっぱいの作品。