2001年に飛躍した注目のレーベル
さて、新年でございます!2002年もピチピチな動きが期待されるUSシーンなんですが、今回は2001年もっとも跳ねまくったレーベルをご紹介しましょう。メリーランド州ボルチモア発のテンポラリー・レジデンスでございます。
「良い作品だなぁ~」と思ってジャケを見ると、そこには羽の生えたハート・マークが……。熱心にインディー・シーンを追っかけている方なら、このところそういった経験がかなりあったと思います。うん、まさしく絶好調。傑作連発なんですなぁ。
設立は96年ごろ。第1弾のリリースは、他インディー・レーベルと同様に7インチ・シングル<ネロとプロセスのスプリット>。注目され始めた97年に、12インチ・オンリーで3作連続リリースされたコンピレーション・シリーズには、レトシン、フォー・カーネイション、ファック、ソングス・オハイオ、ウィンザー・フォー・ザ・ダービー、ルビー・フォールズなどなど、おいしい面子がズラリ参加していました。その後、タレンテル、ソンナ、ウィノ、ルーメン、ハリファックス・ピア、ケルベロス・ショール、キロワットアワースなど、個性的なバンドをがっつりとリリース。また、アメリカ国外のアーティストにも手を伸ばし、ドイツからはカマーフリマー・コレクティフ、イギリスからはシバライト、そして最近では、フリッジの新作をアメリカでライセンス・リリースし、知名度もかなり上がったようです。さらなるお楽しみが<TRAVELS IN CONSTANTA>シリーズ。会員になると、アメリカン・アナログ・セット、ブラック・ハート・プロセッション、アペンディクス・アウトなどの未発表曲が年12枚送られてくるんです。<サブ・ポップ・シングルズ・クラブ>みたいなヤツです。こういう遊び心もたまりません。
確かにまだまだ看板と言えるようなアーティストはいないけれど、ここにはリアルなインディー・サウンドが存在しています。ポスト・ハードコア、ポスト・ロック、エレクトロニカ、フォーク、トラッドなどが同一線上で繋がっている現在のシーンの姿が新鮮に、刺激的に味わえてしまう。うん、リスナーといっしょに呼吸をしている案配なんです。